昨日まで、英語のOdysseusはギリシャ系の語彙で、Ulyssesはラテン系の語彙だと私は思い込んでいた。英語のUlyssesはラテン語のUlissesの直系である。しかし、ラテン語のUlissesの素性はラテン系ではなくあくまでギリシャ系なのだということに気づかなかったのである。今夕、ストラスブール在住の言語学者小島剛一さんからの指摘によって目から鱗が落ちた。ラテン語のUlyssesはギリシャ語名Οδυσσεύςの方言形Ολυσσεύςから来たものだったのである。つまり、ギリシャ語名における「δ」と「λ」の一文字の差異が、ラテン語名ではOdysseusとUlissesの差異にまで広がり、その一見した差異の大きさの故に、よく調べる前に、Odysseusはギリシャ系の語彙、Ulissesはラテン系の語彙だと思い込んでしまっていたのである。しかし、Ulissesも歴としたギリシャ系の語彙なの