【artwork】『マイマイ新子と千年の魔法』 第1回 イメージボード(1) 戦後の復興期を抜け出したばかりの昭和30年代の日本。地方に暮らす新子と都会っ子の貴伊子、対照的な2人の少女が、山口・防府市で出会い、友情を育んでいく。丹念な日常描写に大胆なイマジネーションを重ね、奇跡が起きる瞬間を描き出す。『マイマイ新子と千年の魔法』は、そんなたくらみに満ちた劇場作品だ。 今回は、作品制作にあたって、浦谷千恵が描いたイメージボードを紹介しよう。浦谷は本編では、画面構成と作画監督の役職でクレジットされている。脚本作業中に、片渕須直監督と二人三脚で相談しながら、描いていったものだ。イメージボードと言っても、実際には短冊のようなかなり小さな紙に描かれており、イメージスケッチと呼ぶほうが似つかわしいかもしれない。 第1回は新子達の日常生活の場面を中心に紹介していこう。自然の残る池からドヤ街まで(!)新子