太平洋戦争の転換点となったガダルカナルの戦い。日本陸軍の精鋭部隊916名が1万人を超えるアメリカ海兵隊に戦いを挑み全滅する。部隊を率いた指揮官の一木清直大佐は、無謀な突撃作戦にこだわり、部下の命を奪ったとして非難を浴びてきた。しかし、大敗北の裏には共同作戦に打って出た陸軍と海軍の不協和音があったのだ。今回アメリカで見つかった膨大な戦闘記録から、「地獄の戦場」となった戦争の実像に迫る。 明らかになる精鋭部隊全滅の全体像 日本からおよそ6,000km、南太平洋のガダルカナル島は、日米が初めて総力戦を行った戦場だ。今から77年前、日本軍が作った島で唯一の飛行場を巡って日米は激突する。 真珠湾攻撃によって連合国との全面戦争に突入した日本は、米軍の拠点ハワイとオーストラリアを結ぶ線上にあるガダルカナル島に着目した。ここで制空権を得れば連合国を分断し、さらに優位に立てると考えたのだ。800mの滑走路を