遺産相続で夫婦間の実子と婚外子を区別するなという最高裁判決。行き過ぎた「平等」で結婚制度を壊してはならない(高崎経済大学教授 八木秀次 月刊正論11月号) 非嫡出子の遺産相続判決に大きな疑問 最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允長官)は9月5日、結婚していない男女の間に生まれた非嫡出子(婚外子)の遺産相続分を嫡出子の2分の1とする民法900条4号但書について、法の下の平等を定めた憲法14条に違反するとの決定を示した。裁判官14人の全員一致によるものだ。 この「違憲」の決定について、新聞各紙はほぼ横並びで肯定的な評価を下している。いわく、「日本人の家族観の変化を踏まえた歴史的な違憲判断である。(中略)『父母が婚姻関係になかったという、子にとっては自ら選択・修正する余地のない事柄を理由として、その子に不利益を及ぼすことは許されない』。最高裁のこの判断を、多くの国民は違和感なく受け止めるのではないか。