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2013年2月12日のブックマーク (5件)

  • 文化と社会のパラドクスについて――明治時代の「美術」問題から - みちくさのみち(旧)

    芸術は誰のものなのか。みんなのものなのか、あるいは見る人が見て分かれば良いものなのか。マルクス主義なら使用価値に対する交換価値としてこれを論じるだろうし、文化人類学なら生存財に対する威信財としてこれを論じるだろう。そのパラドックスは、私が愛してやまない『ギャラリーフェイク』第一話のモネのつみわらの話に集約的に表現されている。 ギャラリーフェイク(1) (ビッグコミックス) 作者: 細野不二彦出版社/メーカー: 小学館発売日: 2012/09/25メディア: Kindle版 クリック: 9回この商品を含むブログ (7件) を見る 何故急にこんなことを考えついたのかというと、最近、芸術は社会に役立つべきか、とか、あるいはモラルに著しく反する芸術は許容されるべきか、とかいう話題を立て続けに見たからである*1。 ここで時事的な問題をあれこれ批評する趣味は全くないし、当事者の人たちがしかるべく対応さ

    文化と社会のパラドクスについて――明治時代の「美術」問題から - みちくさのみち(旧)
  • 「一四一七年、その一冊がすべてを変えた」書評 教会も受容した死を超える快楽|好書好日

    一四一七年、その一冊がすべてを変えた 著者:スティーヴン・グリーンブラット 出版社:柏書房 ジャンル:エッセイ・自伝・ノンフィクション 一四一七年、その一冊がすべてを変えた [著]スティーヴン・グリーンブラット イタリア・ルネサンスの大物が活躍する半世紀ほど前の15世紀初頭、教皇秘書として古典写の蒐集(しゅうしゅう)翻訳に携わったポッジョ・ブラッチョリーニが、立場を逸脱してまで救済した一冊の「超奇書」にまつわる歴史物語である。 込み入った内容だが、逸話やイメージを随所に提示する手法のおかげで、流れの勘所を見失う不安はない。たとえば巨匠ラファエロの大フレスコ画「アテナイの学堂」が出てくる。古代ギリシャからアジアに及ぶ多彩な哲学者たちが、サンピエトロ大聖堂に参集し自由に議論を闘わせる空想的な場面である。この絵が、教皇の書庫兼執務室の壁に飾られた理由は明白だ。カトリックがどんな哲学や思想をも内

    「一四一七年、その一冊がすべてを変えた」書評 教会も受容した死を超える快楽|好書好日
  • 崩れたら 補えばいいよ そういう職業だもの (みつを): egamiday 3

    学術リポジトリが変える論文の「価値」と読者層 - 日比嘉高研究室 http://d.hatena.ne.jp/hibi2007/20130210/1360484762 いい記事があったなあって。 まず思ったのは、リポジトリもGoogleも、何かを壊すために現れたわけではなくて、インフラとして社会に登場したんじゃないかな、と。結果として、崩した、ぶっ壊した見た目にはなってるけど。 インフラだから壊すためじゃなく築くために出てきたはずなのにな、って、思たです。 例えば紀要だと「学術的評価のヒエラルキーでは低くて、選りすぐられた文献ばかりではないけど、でも必要な時には、雑誌記事索引や国文学年鑑をひけば見つかるし、たいていの大学図書館の書庫に行けば並んでてコピー入手できる」とまで言えちゃえる存在、だったとしたら、それは価値評価や位置づけと、見つけることと、アクセスすることとがある程度くっついた、パ

  • 著作権と「作者」の起源(はじまり):ロジェ・シャルチエ『書物の秩序』

    「作者」は、今日では、名声を得るため、カネを得るため、自分の考えの影響を増すため、就職するため、敵対する考えの影響を減らすためなどの他に、さまざまな「読者の利害とは一致しない」理由から書物を著す。結局のところ、「作者」は作者自身のために執筆し出版するのであって、それは来的には読者のためではない。 当のところ、独創性のために「作者」が費やす苦労によって、どれほど読者が悩まされ、余計な時間を費やすはめになっているか。 とりわけ「作者」が伝えなければならない新情報や重要情報の欠如が、この「独創性への労苦」をかけあわせることによって、しばしば多大な損害を読者にもたらす。 ただ新奇にみせかけられた考えや表現を受け取るために費やされる時間を少しでも減らせるのであれば、人はその分を、たとえば自ら思考することにあてることができるばかりか、泳ぎにだって出掛けられるというのに、である。 (もちろん、同じよ

    著作権と「作者」の起源(はじまり):ロジェ・シャルチエ『書物の秩序』
  • ロジェ・シャルチエ:『書物の秩序』他 - SCHOLASTICUS LUGDUNENSIS ANNEX

    歴史やっている場合、文学における受容美学の議論にとっかかる前に、とりあえずシャルチエから入っとく方がいいっすよね。特に西洋史は。 中世の場合、色々としっくりこない所がありますが、叩くにせよ支持するにせよ参照軸としはやはり無視するわけにはいかないですよね。 アナール第4世代に位置するロジェ・シャルチエ Roger Chartier の書物・読書・読者・読書行為の社会史研究はいくつか邦訳があるわけで。 取っ掛かりとしてはまずこれでしょう。 書物の秩序 (ちくま学芸文庫) 作者: ロジェシャルチエ,Roger Chartier,長谷川輝夫出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1996/04メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (11件) を見る訳者による丁寧な研究史の解説もあるし。 それとこれ。 読書と読者―アンシャン・レジーム期フランスにおける 作者: ロジェシャ

    ロジェ・シャルチエ:『書物の秩序』他 - SCHOLASTICUS LUGDUNENSIS ANNEX