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2021年1月10日のブックマーク (2件)

  • 「苦学と立身と図書館」書評 公共の場から受験の勉強空間へ|好書好日

    苦学と立身と図書館 パブリック・ライブラリーと近代日 [著]伊東達也 「みんな脇目もふらず一心不乱に勉強してゐる様子だった。白鉢巻(はちまき)などしてゐるのも何人かゐた。受験生が圧倒的に多いらしかった。(中略)誰の目にもつく所の壁に、小さな字を一ぱいに書き込んだ短冊型の紙が何枚かぶら下がってゐる。(中略)それは来館者同士がおたがひに問題を提出し合ったり、解答し合ったりしてゐるのだった。」 これは書で引用されている、図書館内の様子を描いた1919年刊の文章の一部である。明治から大正にかけての日図書館は、資格試験や入学試験の合格を目指して学習する受験生たちが利用者の中で多くを占める「勉強空間」と化していた。それは、維新直後の岩倉使節団がアメリカで目撃した、地域社会のすべての人々に開かれたものとしてのパブリック・ライブラリーとはずれてゆく図書館の姿だった。 書は、こうした「勉強空間」と

    「苦学と立身と図書館」書評 公共の場から受験の勉強空間へ|好書好日
  • 日本に「近代」がやってきた【清水唯一朗】

    『公研』2020年12月号「めいん・すとりいと」 清水 唯一朗 歴史に残る一年が終わろうとしている。変わらないと思っていた私たちの日常、揺るがないと思われていたオリンピックの日程、もう一期続くのではないかとも言われた長期政権。いずれもが変化を余儀なくされた。 ピンチはチャンスとばかりに変化に踏み出す動きが各所で生まれている。大学では、長らく要望がありながら逡巡されていたオンデマンド講義が急速に普及し、学生からも一定の評価が与えられた。ハンコ一つを捺すために出勤せず、電子承認で済むケースも大幅に増えた。変化に挑まれたみなさんの尽力に頭が下がる。 変化を選ぶことも広まった。過密な都心を離れ、リモートワークがベースになったことで、近郊の衛星都市や魅力的な地方に移住する人が増えた。仕事を変えて地方で働くことを選ぶ人も目立つようになった。 変化に飲み込まれそうな人たちもいる。しかし、そうした人たちも

    日本に「近代」がやってきた【清水唯一朗】