『公研』2020年12月号「めいん・すとりいと」 清水 唯一朗 歴史に残る一年が終わろうとしている。変わらないと思っていた私たちの日常、揺るがないと思われていたオリンピックの日程、もう一期続くのではないかとも言われた長期政権。いずれもが変化を余儀なくされた。 ピンチはチャンスとばかりに変化に踏み出す動きが各所で生まれている。大学では、長らく要望がありながら逡巡されていたオンデマンド講義が急速に普及し、学生からも一定の評価が与えられた。ハンコ一つを捺すために出勤せず、電子承認で済むケースも大幅に増えた。変化に挑まれたみなさんの尽力に頭が下がる。 変化を選ぶことも広まった。過密な都心を離れ、リモートワークがベースになったことで、近郊の衛星都市や魅力的な地方に移住する人が増えた。仕事を変えて地方で働くことを選ぶ人も目立つようになった。 変化に飲み込まれそうな人たちもいる。しかし、そうした人たちも
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