最近サッカリンのサルを使った安全性試験の結果が発表されました。Journal of the National Cancer Institute, Vol.90, 19-25, 1988 この論文によるとサル20匹に生後すぐからサッカリンナトリウム25mg/kgを与え続けて24年間飼育したそ うです。対照群は16匹。実験終了後に全てのサルを殺して解剖して病変を検索し、結果 としてはサッカリンに由来する病変は何ら認められなかった、ということです。 このために犠牲になったサル36匹。費やした時間は25年。気の遠くなるような話です。実験開始が1970年代ですからその間にこの実験そのものの意味が随分変わってしまったようで、その運命について考えてみました。 サッカリンが雄のラットの膀胱に対して弱い発癌性を示すことが報告され、ヒトでも可能性があるとしてFDAがサッカリンの使用を禁止するよう勧告したのが