地方にいるからこそ、見えてくるものがある。東京に集中する大手メディアには見過ごされがちな、それぞれの問題を丹念に取材する地方紙、地方テレビ局。彼らはどのような信念と視点を持ってニュースを追いかけるのか? 自社の内幕を描いたドキュメンタリー『さよならテレビ』で、テレビを問い直した東海テレビ放送に迫ります。 テレビに未来はあるか──。ネット社会になって以降、何度も繰り返し問われてきた。若い世代はYouTubeなどのネット動画に流れ、NHK放送文化研究所の調査では「10代、20代の半数がほぼテレビを見ない」という。新型コロナ禍を機に、動画配信サービスの利用も急速に広がる。 この問題に切り込んだのが、愛知・岐阜・三重を放送エリアとする東海テレビ放送だ。3年前、自社を舞台とするドキュメンタリー『さよならテレビ』を放送し、昨年には映画版を公開した。そこに映し出されたテレビの現状は業界内外に波紋を呼び、