京都府警下鴨署の巡査部長だった夫(55)からドメスティックバイオレンス(DV)を受けた妻(54)=京都市中京区=が6日、別の署に出した被害届の内容を夫に漏らしたとして、府に550万円の損害賠償を求める訴えを京都地裁に起こした。 訴状などによると、妻は昨年7月、夫からのDVでけがをしたとして右京署に被害届を提出。その直後、右京署が下鴨署副署長に連絡し、副署長が被害届の内容を詳細に夫に伝えた。このため、夫の親類や同僚らから「夫を売るな」「被害届を取り下げろ」などと電話があり、精神的苦痛を受けたとしている。 府警は同10月、妻への傷害容疑で夫を書類送検するとともに、減給10分の1(3カ月)の懲戒処分に、被害者への配慮を欠いた不適切な対応だったとして下鴨署副署長を厳重注意処分にした。夫は同月、依願退職した。 府警監察官室は「訴訟に影響を与えるので答えられない」とコメントした。