広島県府中町の町立府中緑ケ丘中学校3年の男子生徒(当時15)が昨年12月、誤った「万引き」の記録に基づく進路指導後に自殺した問題で、原因や再発防止策を調査、検討する第三者委員会が3日、町教育委員会に報告書を提出した。強権的・抑圧的な指導に陥り、学校が共感的な支援をしなかったことなどを問題点に挙げ、生徒指導や情報管理の見直しを求めた。 報告書は、やっていない「万引き」を理由に私立高への推薦はできないと告げられたことが、生徒の自殺要因の一つになったと指摘。教諭と生徒の信頼関係が不十分で、教員間の不適切な引き継ぎに基づく「万引き」との指摘に生徒が否定できなかった点など複数の要因が重なり、自殺に至ったとした。 また合格を最優先にする「出口指導」の結果、生徒の意識や適性への配慮を欠いた「心の通わない進路指導に陥った」と指摘。町教委や県教委も的確な情報把握をせず、指導や助言が十分ではなかったとした。