ブノワ・マンデルブローさん(米国の数学者)米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、14日、自宅がある米マサチューセッツ州で死去した。85歳。 従来の科学の枠に入りにくい「複雑系」研究の先駆者の一人。海岸線や株価のグラフなどでは、遠くから見ても近くから見ても同じように見えることがある。こうした図形の性質は「自己相似性」と呼ばれるが、これを「フラクタル」と名付けて、その普遍的な性質を明らかにした。 ワルシャワに生まれ、米IBMの研究員を長年務めた後、米エール大に移った。2003年、やはり複雑系の重要な概念である「カオス」を提唱した米研究者と日本国際賞を共同受賞した。(ワシントン)