日本の防災を担うITインフラに、相次ぎ不安要素が露呈した。KDDIの大規模な通信障害により、地域気象観測システム(アメダス)のデータが5%消失。海底地震観測システムの障害で緊急地震速報が13秒程遅くなる事態も発生した。これら防災システムを支える通信やGPSといったITインフラそのものに打撃を与えるおそれのある太陽活動も懸念されている。日本の防災を担うITインフラは大丈夫か。 2022年7月2日未明、気象庁の白野和浩大気海洋部観測整備計画課調査官の携帯電話が鳴り響いた。午前1時40分に収集されるはずのアメダス(地域気象観測システム)の観測データが入ってきていないという連絡だった。 気象庁は全国の拠点で雨量や気温、湿度といった気象関連データを24時間体制で観測、収集している。異常があれば真夜中であろうと担当者はたたき起こされる手はずになっていた。 ただ、この日の異常は別格だった。全国にある拠点
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