『頼朝と義時』(講談社現代新書)の著者で、日本中世史が専門の歴史学者・呉座勇一氏が、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』の放送内容をレビューする本企画。今回は、先週放送の第18話「壇ノ浦で舞った男」、昨日放送の第19話「果たせぬ凱旋」をまとめて解説。さまざまな史料や学説を参照しつつ、一ノ谷の戦いから壇ノ浦の戦いに至る一連の流れや、源平合戦が展開する中で源頼朝・義経兄弟の間に生まれた亀裂の理由に迫ります。 『鎌倉殿の13人』の第18話では平家滅亡と腰越状、第19話では源義経の挙兵失敗が描かれた。誤解とすれ違いの積み重ねによって悪化の一途をたどる源頼朝・義経兄弟の関係を、北条義時は何とか修復しようとするが、果たせなかった。歴史学の観点から第18・19話のポイントを解説する。 屋島の戦い 一の谷合戦後、紆余曲折を経て、源頼朝は弟の範頼を平家討伐に起用する。範頼軍は元暦元年(1184)8月8日に鎌倉
![源平合戦の英雄・源義経の孤立と没落は「必然」だった!?(呉座 勇一)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/7cb5a05fd6db1276b8cff562d4efe2aba0ffcc0b/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fres.cloudinary.com%2Fgendai-business%2Fimage%2Fupload%2Fw_1080%2Ch_360%2Cg_auto%2Cc_fill%2Cz_0.9%2Cq_auto%3Abest%2Ccs_no_cmyk%2Fv1652287533%2Fimg_e83c012ffa654bdcad7498384b87874c76411_betnsb.jpg)