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政治学に関するnizimetaのブックマーク (267)

  • ヘーゲル『法の哲学』を超コンパクトに要約する

    前置き きちんと順番通りに読むのが大事です。 書でヘーゲルは最初に自由に関する抽象的な原理論を行い、それに基づいて具体的な制度について論じています。全体の流れとしては以下のような感じです。 緒論 自由の原理論 抽象的な法権利 「人格」の相互承認が自由の基礎 自由は「所有」という形を取る 「道徳」Moralität 意志が普遍的な正しさ(自由)を求める段階 しかしこれは偽善とイロニー(主観性の絶対化)に行き着く 「倫理」Sittlichkeit 自由が制度として実質化する段階 具体的な制度として、家族、市民社会、国家がある なので、いきなり「家族 → 市民社会 → 国家」の図式から入っても、その意義を理解することはできません。順序的に。具体的なのでどうしてもそこから読んでしまいたくなりますが、それだけだと片手落ちです。というか半分落ち、いや3分の2落ちです。 では見ていきます。コンパクトと

  • 善教将大『維新支持の分析』 - 西東京日記 IN はてな

    ここ最近、「ポピュリズム」という言葉が、政治を語る上で頻出するキーワードとなっています。アメリカトランプ大統領に、イギリスのBrexit、イタリアの五つ星運動にドイツのAfDと、「ポピュリズム」というキーワードで語られる政治勢力は数多くいるわけですが、では、日における「ポピュリズム」といえば、どんな勢力がそれに当てはまるでしょうか? そこで、小泉純一郎や都民ファーストの会と並んで、多くの人の頭に浮かぶのが、おおさか維新の会でしょう。特に代表を務めていた橋下徹は多くの論者によって代表的な「ポピュリスト」と考えられていました。 「橋下徹という稀代のポピュリストによって率いられ、主に政治的な知識が乏しい層から支持を調達したのが維新である」というイメージは幅広く流通していたと思います。 しかし、このはそうしたイメージに対し、実証的な分析を通じて正面から異を唱えるものとなっています。 目次は以

    善教将大『維新支持の分析』 - 西東京日記 IN はてな
  • なぜナチズムは「国家社会主義」ではなく「国民社会主義」と訳すべきなのか(小野寺 拓也) @gendai_biz

    「国民」か「国家」か ナチズム研究者として、長年悩んでいることがある。 ナチズム(ドイツ語ではNationalsozialismus)の訳語として「国民社会主義」がなかなか社会に定着しない、ということだ。 手元には山川出版社、東京書籍、帝国書院、実教出版の高校世界史B教科書があるが、ナチ党の訳語はいずれも「国民社会主義ドイツ労働者党」となっている(山川出版社だけは「国民(国家)社会主義」表記)。 つまり、高校教育では「国民社会主義」がほぼ定着しているのだが、それ以外では「国家社会主義」という訳語を目にすることが依然として多い。 ウィキペディア、NHKのドキュメンタリー番組、各種辞典類などなど。ナチに関する邦訳書を見ても、「国民」と「国家」が半々といったところかもしれない。 「国民」か「国家」か。 この言葉の元となっているドイツ語はNationである。 独和辞典としてもっとも定評のある小学館

    なぜナチズムは「国家社会主義」ではなく「国民社会主義」と訳すべきなのか(小野寺 拓也) @gendai_biz
  • 2020年の本 - Valdegamas侯日録

    過去のログを漁るとまるで言い訳の変遷がボージョレ・ヌーボーの評価のようであるが、当に今年もろくにを読まない一年であった。Twitterで報告したとおり、私事でも色々あり、世の中はコロナに見舞われた。在宅勤務が増える中で読書がはかどるかとも一瞬思ったのだが、そんなことはなく、人間は読書の習慣が鈍るとを読まなくなるのだと反省の思いが強くあった。来年からは是正しなければならないとかなり深刻な反省を覚えるところがあったが、それはそれとして今年出たで印象に残ったを取り上げることとする。 ■印象に残る研究あれこれ どのような脈絡をつけたものか考えたが、ランダムに取り上げることとした。まず一冊目として取り上げたいのは川名晋史『基地の消長 1968-1973 日土の米軍基地「撤退」政策』(勁草書房)である。書は基地問題をめぐる政治学を研究対象としてきた政治学者が、1960年代後半に格化し

    2020年の本 - Valdegamas侯日録
  • 新型コロナウイルス感染症がもたらす政治的・経済的リスクの予測が進んでいる

  • 2019年の本 - Valdegamas侯日録

    はてなブログ形式で初の投稿となった。毎年言い訳から始めるのも芸がないが、読書のはかどらない一年であった。この調子で新刊のとりまとめをするのもおぼつかない感じもするが、いくつかのカテゴリで実際に目を通し、印象に残ったを取り上げたい。 ■日外交史をめぐって 他の項目より日外交史という範囲設定はかなり狭い。そうした枠の中でも例年通り多数の書籍が出版されたが、特に印象に残ったのは、近現代の日外交通史である波多野澄雄編著『日外交の150年―幕末・維新から平成まで』(日外交協会/現代史料出版)であった。 自国史ということもあり、日外交史のテキストは世の中に多数存在する。しかし、幕末から現代までを一貫して、専門の外交史家がモノグラフとして執筆したものは実はあまり多くない。その点で書は細谷千博『日外交の軌跡』、池井優『日外交史概説』、井上寿一『日外交史講義』以来の取り組みといえるだろ

  • くじ引き民主主義に万歳二唱―レイブルック『選挙制を疑う』を読む - 元ちゃんの驢鳴犬吠

    12月解散説もチラホラ出始め、俺のような政治嫌いの人間は内心イライラを隠せなくなっているだろう。代議制民主主義において、政治とはほぼほぼイコールで選挙である。そもそも世界人権宣言にだって《国民の意思が政府の権限の基礎になければならない。その意思は、定期的に実施される公平な選挙によって表明されなければならない》(第21条第3項)とある。しかし議会政治が選挙によってしか成立しないなどと誰が決めたのだろうか?これは、ベルギーの著名な言論人による、大論争を巻き起こした一冊である。 その代議制民主主義への不満や怒り、失望や反感は欧州では非常に広がっている。数百万人ものヨーロッパ市民は投票所に足を運ばなくなった。2012年9月のオランダ総選挙では26パーセントの有権者が投票を拒否した。利益を自分たちに回すことを、国民全体・国家の利益よりも優先して考える「政党」は最も信頼されない存在に堕した。邦の惨状

  • 日本は「民主主義」なのか? この時代に生きる我々がすべきこと « ハーバー・ビジネス・オンライン

    前に記事を書いてから、だいぶ時間が空いてしまった。筆者のことを覚えていない人がほとんどだろう。そこで少しだけ、前回のおさらいをしておきたい。前回の記事は、現在の日政治が、安倍首相の周囲による「人事権支配」を憂うものだった。キャリア官僚に対する、内閣人事局を通じた不透明な人事権の行使によってキャリア官僚たちが震え上がっているという背景の下で、統計データ収集方法の変更が行われたこと、そうした人事権支配による統計データの操作は、ソ連、中国、メキシコといった一党独裁体制においても見られる、というのが、前回の趣旨だった(「厚労省の統計不正、政党独裁体制との不気味な共通性」『ハーバービジネスオンライン』2019年5月21日)。 この問題を考えるとき、最初に思い出すのは、日を代表するアニメーション・スタジオ、スタジオ・ジブリの宮崎駿氏と鈴木敏夫氏に密着したドキュメンタリー番組『夢と狂気の王国』であ

    日本は「民主主義」なのか? この時代に生きる我々がすべきこと « ハーバー・ビジネス・オンライン
  • 革命のインテリジェンス 佐々木 太郎著

    ソ連の対外革命戦略のすがたとは? 書は、影響力のある個人を使って標的国の世論や政策を秘密裡に誘導する政治工作、すなわち「影響力」工作を、ソ連が戦間期から1940年代半ばにかけて世界各地で展開していたことを明らかにする。ヴェノナ文書、ヴァシリエフ文書、MI5やFBIの捜査資料などを縦横に駆使した画期的研究。 正誤表(PDF) 略号一覧 序章 「影響力」工作とは何か? 1 書の目的と意義 2 先行研究 3 使用する主な史料について 4 書の構成 第Ⅰ部 ソ連の「影響力」工作を分析するための理論的枠組みとその検討 第1章 冷戦時代におけるソ連の「積極工作」概念 1 「積極工作」の目的 2 「積極工作」の手法 第2章 冷戦時代におけるKGBの「影響力行使者」概念 1 元KGB諜報官らの「影響力行使者」認識 2 〝自覚的〟と〝無自覚的〟の違い 第3章 仮説としてのソ連の「影響力行使者」の諸要件

    革命のインテリジェンス 佐々木 太郎著
  • JIIA -日本国際問題研究所-国問研戦略コメント

    はじめに:「想定内」だった決裂 2月末の第2回米朝首脳会談が決裂に終わったことは、日米を含む国際社会から少なからぬ驚きをもって受け止められた。今回の米朝首脳会談が決裂に終わった交渉の顛末については、すでにアメリカ側、北朝鮮側、そして韓国側から交渉の経緯がメディアを通じて伝わってきているが、今回の結果は、実は「非核化」というイシューの構造を冷静に分析していれば、少なくとも想定されるシナリオの一つには上がっていたはずである。それが多くの人にとってサプライズだったのは、事前の報道やトランプ大統領のツイートに煽られ期待値を上げすぎたことがその原因だと言えよう。実際のところ、両国の間には「非核化」プロセスを通じて目指すゴールの認識、そして制裁の解除の規模に関して埋めがたいギャップがあった。それにも関わらず多くの人が驚いたのは、事前の報道ではあたかも合意が可能であるかのような情報が流され、またトランプ

    JIIA -日本国際問題研究所-国問研戦略コメント
    nizimeta
    nizimeta 2019/03/30
    「「非核化」の構造的要因から読む米朝首脳会談の決裂と今後」
  • 2018年の本 - Valdegamas侯日録

    一年越しの更新となった。はてなダイアリーの終了が告知されたこともあり、恐らくこれがはてなダイアリーへの最後の投稿になると思われる。今年は昨年より状況が悪く、完読ではなくつまみ読み程度で終わったが多かった(読書メーターの更新も滞っている)。とはいえ、今年刊行のを中心に、いくつか印象に残ったを整理したい。 ■国際政治 政治学の範疇に入る自体がそれほど読めず、どちらかといえば国際政治・日政治に区分されるようなに偏った読書をする一年であった。ここでは広く国際政治にまとめられるを取り上げたい。印象に残ったのは、西平等『法と力』、田所昌幸『越境の国際政治』、小川浩之・板橋拓己・青野利彦『国際政治史』、モーリス・ヴァイス『戦後国際関係史』の四冊だった。 西平等『法と力―戦間期国際秩序思想の系譜』(名古屋大学出版会) 20世紀に国際政治学は、どのようなロジックから生まれたのか?それは国際政治

  • 青土社 ||哲学/思想/言語:隔たりと政治

  • ルトワック『クーデター入門』の初版まえがき | 地政学を英国で学んだ

    今日の横浜北部は午後ににわか雨が降りました。蒸し暑い日が続いております。 久々の更新です。ここ数ヶ月間、ちょっと野暮用が重なっておりましたが、そろそろブログの方も格的に復帰したいと考えております。 さて、すでにご存知の方もいらっしゃると思いますが、おかげさまでルトワックの講演会が予約完売しました。 申し込み予約開始からたった11日間で400席が埋まりまして、あらためてルトワック人気を感じた次第ですが(おかげで彼に出版の申し込みが殺到しているらしいですが)、実は現在、私の周辺では、ルトワックの秋の来日に合わせて一つのプロジェクトが立ち上がっております。 それは、ルトワックのデビュー作であり、ある映画の元にもなった『クーデター入門』(1968年刊)の改訂版(2016年)の翻訳出版です。 この衝撃のデビュー作の改訂版、今回は私が「監訳者」となっております。すでに下訳はできあがっているのですが、

    ルトワック『クーデター入門』の初版まえがき | 地政学を英国で学んだ
  • 寡頭制の鉄則 - Wikipedia

    寡頭制の鉄則(かとうせいのてっそく、独: ehernes Gesetz der Oligarchie、英: iron law of oligarchy)とは、一定規模以上の社会集団において、少数者による多数者に対する支配が必然的に実現されるというもので、ドイツの社会学者ロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)によって提唱された概念である。 理論成立の背景[編集] ミヒェルスは学生時代より社会主義運動へ傾倒し、無階級の平等社会実現を目指して活動をしていたが、彼が参加したドイツ社会民主党(SPD)が、当時(20世紀初頭)において最も民主的とされ、革命によって真の平等社会を実現するとしながら、指導の名の下で少数の党幹部による党員の組織化・支配が行われている状況を目の当たりにすることになる。そのような中で、彼はいかなる組織・集団においても少数者支配(寡頭制化)は避けられない現実だという結論を導き

  • Tsugami Toshiya's Blog

    書は1920〜1930年代の広東省で、中国共産党が如何に軍隊を組織していったのか、それは当時の広東社会との、どのような関わりの中で行われたのか、を研究した学術書である。著者は東北大学大学院法学研究科の阿南友亮准教授、名前を聞いて「もしや」と思う方も多いだろう。阿南惟茂元中国大使のご子息である。 実証アプローチ 書は足で稼ぐ実証アプローチを最大の特徴とする。著者は当時の文献を豊富に収蔵する広東省档案館(ダンアングァン)を始めとする現地のアーカイブに幾度も足を運んで、当時の実情を赤裸々に語る共産党内部文件を丹念に漁った。また、共産党と軍隊の組織化の舞台であった広東省の農村地帯にも足を運んだ(書中に写真・地図多数)。このアプローチには同じく研究者である母君の薫陶があるのかもしれない。 共産党の档案館で、外国人が共産党内部文書を閲覧できるのか? もちろん研究者だから許されるのだろうし、思想

    nizimeta
    nizimeta 2017/08/24
    “書評:「中国革命と軍隊」 阿南友亮著”
  • 慶應義塾大学出版会 | 中国革命と軍隊 | 阿南友亮

    nizimeta
    nizimeta 2017/08/24
    “共産党は、実際には近代的な軍隊ではなく、社会に内在した伝統的武力を中心にして容易に軍隊を形成し革命を行なったという仮説を、広東省を中心とした共産党内部文書および他地域の研究の分析から丹念に導き出し”
  • 暴力と社会秩序 制度の歴史学のために

    【 叢書《制度を考える》】 制度学派の巨匠ダグラス・ノース 最後のメッセージ 近代の政治経済のシステムが必要な条件とは何か。世界の学界で論争の続く大テーマに長年の研究成果を注ぎ込み、新たな地平を切り開く。 ペーパーバック版 序文 序文 第1章 分析枠組み 1・1 はじめに 1・2 社会秩序の概念――暴力、制度、組織 1・3 自然国家の論理 1・4 アクセス開放型秩序の論理 1・5 自然国家からアクセス開放型秩序への移行 1・6 信念について 1・7 書の構成 第2章 自然国家 2・1 はじめに 2・2 共通点―アクセス制限型秩序の特徴 2・3 相違点―自然国家の類型 2・4 特権、権利、そしてエリートのダイナミクス 2・5 起源―規模と暴力の問題 2・6 自然国家のダイナミクス ―脆弱な自然国家から基的な自然国家へ 2・7 成熟した自然国家への移行 ―混乱、組織、そして中世の教会 2・

  • 立花書房 / インテリジェンスの基礎理論

  • 2016年の本 - Valdegamas侯日録

    あっという間にまた一年が終わる。今年は読書メーターを利用することでまともな読書記録をつけるようにしたのだが、どうも80冊弱を読んでいたことがわかった。例年こうした記録をとっていないので明確な比較の基準がないが、新書の類をほとんど読んでいないことに気づかされる。それにしてもこうしたサービスを使うと、あれも読んでいないしこれも読みかけで終わった、などというものが山のようになっていることに気づき憂になる部分もあった。これからもそうしたぼやきを重ねながら歳を取ることになりそうである。 今年読み終えたを対象として、印象に残ったを整理した。昨年同様、ある程度のまとまりをもって整理したつもりである。おおむね今年出たが対象となった。去年出たはうずたかく積まれたまま。恐ろしいことである。 ■外交史 わたし自身が強い関心を持っている外交史研究で、特に印象に残ったのは宮下雄一郎『フランス再興と国際秩

    2016年の本 - Valdegamas侯日録
  •  待鳥聡史『アメリカ大統領制の現在』 - 西東京日記 IN はてな

    アメリカ大統領選におけるトランプ勝利に衝撃を受けた人も多いでしょうし、選挙戦での彼の主張が実行されたら世界は大変なことになると心配している人も多いのでないかと思います。実際に大統領に就任すれば意外と現実的に振る舞うのではないかという期待もありますが、そうなるとは限りません。 ただ、トランプが暴走したとしても、議会共和党がしっかりと手綱をしめるのであれば、そう大きな暴走にはならないかもしれません。アメリカの大統領というと「世界のリーダー」であり、日の首相とは比べ物にならないほどしっかりとした権力を握っているという印象を持っている人も多いと思いますが、アメリカの大統領の権力というのは政治学的に見ると言われるほど強いものではないのです。 そんなアメリカ大統領制を歴史と制度の面から分析してみせたのがこの。著者は『代議制民主主義』(中公新書)、『政党システムと政党組織』、『首相政治の制度分析』な

     待鳥聡史『アメリカ大統領制の現在』 - 西東京日記 IN はてな