「極右の牙城」? ドイツ東部のケムニッツという町は、東ドイツ時代、カール・マルクス市といった。町の真ん中には、今でもカール・マルクスの巨大な顔のオブジェが鎮座している。高さ13m、スフィンクスのような迫力。今は亡き東ドイツの歴史の証人だ。 ケムニッツはドイツ東部のザクセン州にあり、そのお隣はチェコ。ドイツの産業革命以来、第2次世界大戦まで、重要な工業都市で、1930年代には人口が36万人を超えた。1945年の2月と3月の大空襲で、町の8割が瓦礫と化したが、その後、再び主要工業都市として復活。東ドイツの産業を支えた。 1990年、東西ドイツが統一された途端、人々が真っ先にしたのは、この町の名前を元に戻すことだった。その後は、西からの莫大な支援を手に、着実に発展。今、ライプツィヒ、ドレスデン、ケムニッツと、ザクセン州の諸都市の景気は好調だ。 そのザクセン州が数年来、極右の牙城という汚名を着てい