第1回では、ハイブリッド/マルチクラウドの管理が注目される中で、IT管理者が抱える課題と、Kubernetes利用における解決の方向性を考察しました。要点は次の3つです。 標準化の前に、ガードレールを 管理者も、使い手とともに学ぶ 意思のある使い手の、自発性を尊重する 今回は、「Azure Arc」でこうした取り組みをいかに支えられるか、そのコンセプトや特徴を、エピソードを交えて解説します。 人はスケールしない 以下のエピソードは、事実をもとにしたフィクションです。 ある企業が、新システムの基盤としてKubernetesを採用し、パブリッククラウド上に導入しました。背景には、変化の激しいビジネス環境への対応と、オープンソースエコシステムへの期待があります。その企業ではKubernetesの採用実績がなかったのですが、プロジェクトチームは試行錯誤しながらもこの技術を手の内に入れ、安定運用に至