その男たちは昼下がりのとある住宅街に突然あらわれた。 ピンポーン、ピンポーン こんな昼間に誰かしら、回覧板なら昨日回したばかりだし、新聞代も一昨日払ったし・・・。 宜菜子は訝しげな表情でドアチェーンを外さないまま、慎重にドアを開く。すると見慣れぬ水色のツナギを着た男たちが玄関先に佇んでいた。 「すいませーん、はてなの方から参りましたー」 妙に明るい声色に宜菜子はかえって警戒心を強めた。 「あの・・・、どなた?」 そんな警戒心に満ちた宜名子の様子を微塵にも解さないようにその男は応じた。 「いや、あのですね〜、ただいま、はてなをご利用されてるお客様にですねぇ〜サーバ移設に関する注意事項を戸別にお伝えしているんですよぉ〜というわけで開けてくださいませんかねぇ〜」 そう言い終えると、その男はさりげない動作で靴をドアの隙間に挟み込んだ。見ればそれは安全靴のようであった。 しかし、いくらさりげないとは