コロナ政局が混迷の度を深める中、立憲民主党の枝野幸男代表の発言が政界に複雑な波紋を広げた。 枝野氏は5月10日、「コロナが大変な時に解散の誘発は避けるべきだ」と発言した。かねてから「不信任提出は解散の大義になる」と繰り返す菅義偉首相の「恫喝に屈した」(首相経験者)との印象も拭えず、「本音は解散が怖いから」(自民幹部)との声が相次いでいる。 事実上の不信任案「提出断念」宣言 枝野氏は10日、記者団から菅政権に対する内閣不信任案提出の可能性を問われた際、「(新型コロナウイルスの感染拡大が続く)現状で(衆院を)解散できる状況ではない。(菅首相は)提出したら解散をされると明言されているので、提出はできない」と語った。 政権攻撃の急先鋒だった共産党の小池晃書記局長も、10日の記者会見で「100回くらい不信任には値する内閣だと思うが、(コロナ感染拡大の中で)野党からいまの時点で提出するのは賛成できない