いつの日か多くを告げねばならぬ者は、多くを内に秘めて沈黙する。 いつの日か稲妻を発しなければならない者は、長いあいだ ― 雲でなければならない。 ーニーチェ*1 小沢健二の帰還 作者:宇野 維正出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2017/11/29メディア: 単行本『小沢健二の帰還』は小沢健二が「雲」として私たちの頭上を漂っていた“空白期”の活動に焦点を当てて書かれた本だ。『春にして君を想う』を遺して突如公の場から姿を消した1998年から『流動体について』を携えてフジロックで帰還する2017年までの19年もの間、彼は一体どこで何をしていたのだろうか?人の人生で面白いのは、そこに含まれた空自の数々、ある種の欠落部分であり、何年にも及ぶカタレプシー*2のようなものなら大抵の人の生涯にも含まれている。 ー このあいだ「さよならなんて云えないよ」の宣材のプロフィールを見たんですけど、『犬キャラ
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