Ⅰ. 言葉への批判意識 やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 (14) (ガガガ文庫 わ 3-24) 言葉一つじゃ足りねぇよ。 本音も建前も冗談も常套句も全部費やしたって、伝えきれる気がしない。 そんな単純な感情じゃない。たった一言で伝えられる感情が含まれているのはまちがいない。けれど、それを一つの枠に押し込めれば嘘になる。 (中略) こんな言葉でわかるわけない。わからなくていい。伝わらなくても構わない。 (渡航『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。⑭』p.398より) この言語への批判意識が、『俺ガイル』の核心部分だと思います。 疑り深い人は「言葉」の裏を読みたくなる。すると人の心理が見えた気がして、その人を「知った」気になる。そうして人を「知る」と今度は心理だけではなく感情が伝わってくる。そうするともう「うわべ」だけでは我慢できない。だから「本物」を、もっと深いつながりを求める
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