335 名前:Mr.名無しさん[] 投稿日:2007/07/14(土) 21:46:19 窓からの光が、室内の塵に反射して瞬く。無機質で、どこか寒々しい病室。 そこに、ルパンがいた。 薄水色の病院服の上に赤いジャケットを羽織り、ベッドの上に腰掛けていた。 大きく息を吐くと、銭型は病室へと足を踏み入れた。ルパンを、逮捕するために。 捕まえる? この今にも死にそうな病人を? 長年夢見てきた事だというのに、銭型にとってそれは既に無価値だった。 「よく来たなぁ、とっつぁん」 人を食ったような態度でルパンが声をかける。 掠れきった声、扱けた頬、体中に繋がれたチューブは心電図へと繋がっている。 かつての面影は、ほとんど残っていない。 そこにいるのは、死を目前に控えた一人の病人だった。 「ルパン、何で貴様がこんな……」 「天下の大泥棒にも、勝てない物があったってことさ」 「一生をかけて追い続けて来て、こ