大井川とリニア 論点を整理 20日投開票の静岡県知事選で争点の一つとされるリニア中央新幹線工事に伴う大井川の水問題。水源の南アルプスを貫く長大トンネルの工事が、中下流域の水利用にどのような影響を及ぼすのか。国土交通省専門家会議での議論はどこまで進んだのか。JR東海の説明や県側の見解を含めて紹介します。 そもそもリニアの水問題とは Q&A形式で分かりやすく リニア中央新幹線の南アルプストンネル工事が大井川流域で、なぜ問題になっているのでしょうか。 ―大井川とは。 「上流は水力発電、中下流では8市2町(島田、焼津、掛川、藤枝、袋井、御前崎、菊川、牧之原、吉田、川根本)の住民約62万人の水道水、農工業用水としてフル活用し、流域の生活と産業を支えています。慢性的に水が不足し、雨が少なくなると利用する水量を抑える取水制限を行っています。直近5年に8回あり、2018~19年にかけては147日間に及びま