【温州(中国浙江省)=角谷志保美】「ドンと大きな音がして突然列車が激しく揺れ、車内が真っ暗になった。手すりやイスにつかまったが、何が何だか分からなかった」。 落下したD301号の車両に乗っていた福建省の女性(62)は、搬送先の病院でベッドに横たわったまま、恐怖の瞬間を振り返った。 雷雨の夜、停車中に追突されたD3115号の後ろから2両目に娘(5)と乗っていた女性(37)は、激しい衝撃で前後に体が揺さぶられ頭を強く打った。 報道では、追突の衝撃で火花が上がったという。 「いきなり列車が落ちてきたんだ!」――追突を目撃した近所の男性(58)は興奮気味に語った。 「高架に列車が止まっているからおかしいと思って見ていたら、ガチャン、ガチャンと大きな音がした」と言う。暗闇の畑に、301号の先頭3両が転がり、その上に突き刺さるように高架から1両がずり落ちた。追突された3115号の後部車両は原形をとどめ