タグ

京王と徳富蘆花に関するnoto92のブックマーク (1)

  • 徳冨健次郎 みみずのたはこと

    儂(わし)の村住居(むらずまい)も、満六年になった。暦(こよみ)の齢(とし)は四十五、鏡を見ると頭髪(かみ)や満面の熊毛に白いのがふえたには今更(いまさら)の様に驚く。 元来田舎者のぼんやり者だが、近来ます/\杢兵衛(もくべえ)太五作式になったことを自覚する。先日上野を歩いて居たら、車夫(くるまや)が御案内しましょうか、と来た。銀座日橋あたりで買物すると、田舎者扱いされて毎々腹を立てる。後(あと)でぺろり舌を出されるとは知りながら、上等のを否(いや)極(ごく)上等(じょうとう)のをと気前を見せて言い値(ね)でさっさと買って来る様な子供らしいこともついしたくなる。然し店硝子(みせがらす)にうつる乃公(だいこう)の風采(ふうさい)を見てあれば、例令(たとえ)其れが背広(せびろ)や紋付羽織袴であろうとも、着こなしの不意気さ、薄ぎたない髯顔(ひげがお)の間抜け加減、如何に贔屓眼(ひいきめ)に見て

  • 1