報 告 者: 安 秉直 (ソウル大学校経済学部) 討 論 者:(発言順) 尾高煌之助 (一橋大学経済研究所) 溝口敏之 (広島経済大学) 松田芳郎 (一橋大学経済研究所) 斎藤 修 (一橋大学経済研究所) 堀 和生 (京都大学経済学部) 黄 仁相 (一橋大学経済研究所) 阿部正浩 (一橋大学経済研究所) Ⅰ 報 告 はじめに――大工業中心の韓国・中小企業中心の台湾 尾高 今日は、われわれのプロジェクトの一環として、朝鮮と台湾の植民地期の経済についての比較研究をしておられる安先生をお招きして研究会を開くことにしました。それでは、安先生のご報告からお願いします。 安 一昨年、京都大学の中村哲先生から、植民地期の台湾と朝鮮の比較研究をやらないか、という話をいただきました。そこで、何から始めようかということで、アメリカと日本と韓国の文献を検討してみましたところ、非常に関心を引かれたことがありまし