長野県中野市で果樹農家を営む男性が、自宅の蔵の整理をしていて見慣れぬ行李(こうり)を見つけた。入っていたのは、大量の文書と1枚の写真。専門機関に相談すると、「大変なもの」だった。 資料を見つけたのは田中武徳さん(67)。3年ほど前、大切な文書などを火災などから守るために堅牢につくられた文庫蔵を整理していた際、2階の棚に黒っぽい行李が置いてあるのに気づいた。手の込んだつくりに思え、貴重なものがはいっている予感がした。開けると、濃紺の風呂敷がかぶせられ、中からは大量の文書と、建物を写した写真が出てきた。写真の裏に「枢密院の建屋」と手書きされていた。 どんな価値があるものなのか分からず、国立公文書館(東京都千代田区)に持ち込んでみた田中さん。その場で「貴重なもの」と驚かれた。 公文書館が数カ月かけて作成した目録によると、見つかったのは、明治憲法下における天皇の最高諮問機関だった「枢密院」の関係文