台湾有事が話題になる機会が増えている。 東京大学の川島真教授は「台湾本島への本格的な武力攻撃を伴う台湾有事は当面ないと考えます」という。 その理由は大きく2つあるという。 果たしてそれは何なのか。 ただし、そのことは中国が台湾の解放と統一を諦めることを意味するわけではない。 この環境下で日本は何をするべきなのか。 (聞き手:森 永輔) 最近、台湾有事(中国が武力による台湾統一を試みる事態)が話題に上る場面が増えています。川島さんは、この蓋然性をどう考えますか。 川島 真・東京大学教授(以下、川島):私は「台湾有事」の定義によって答えが異なると考えています。台湾本島への本格的な武力攻撃を伴う台湾有事は当面ないと考えます。 川島 真(かわしま・しん) 東京大学教授。専門はアジア政治外交史、中国外交史。1968年生まれ。92年、東京外国語大学中国語学科を卒業。97年、東京大学大学院人文社会系研究