久々のGPU黒歴史13回目は、またもやDOS時代からの古いユーザーにはおなじみ、Tseng Labs社の「ET6300」をご紹介したい。「え? ET6300なんてあったっけ?」という方が大半だと思うのだが、実はしっかりあったりする。とはいえ、Tseng Labs(ツェン ラボ)そのものをご存じない方も多いと思うので、まずはこのあたりから始めよう。 1983年に創業 最初の製品はOEM先にキャンセルされたUltraPak Tseng Labsは、Jack N.H Tsengが1983年に創業したグラフィック関連メーカーである。最初の製品は「UltraPak」とよばれるもので、132桁×44行のテキスト表示を含むグラフィックカードで、さらにI/OやEMS方式の拡張メモリーともなるという欲張った製品だった。このカード、本来はIBM-PC上で動くCP/M環境向け(おそらくCP/M-86向けだと思わ
