「九段線」をめぐる攻防 フィリピン政府は5月31日、中国との間で領有権争いが生じている南シナ海において、中国側が一方的に中国以外の国による漁業禁止海域を設定したことに対して、中国政府に抗議したこと明らかにした。同時に、中国がフィリピンの排他的経済水域(EEZ)内で違法に海洋調査や海底資源調査を行ったことについても抗議したという。 フィリピンの西方に広がる南シナ海を巡っては、中国が一方的に主張している自国の海洋権益が及ぶ海域であるとする「九段線」が南シナ海の大半と重複し、同海域にある島や環礁に関してマレーシア、フィリピン、ブルネイ、ベトナム、台湾と中国との間で領有権問題が起きている。 南シナ海の海洋権益に関しては2014年、フィリピンのベニグノ・アキノ大統領(当時)が「九段線」の無効を求めてオランダ・ハーグにある常設仲裁裁判所(PCA)に中国を提訴している。 PCAは2016年に「国際法上の