1972年(昭和47年)11月6日、午前1時8分から9分にかけて、福井県敦賀市の日本国有鉄道(国鉄)北陸本線「北陸トンネル」下り線を走行中の大阪発青森行き下り急行「きたぐに号」(501列車・15両編成)の食堂車喫煙室から火災が発生し、同列車は敦賀口から5.3km付近の北陸トンネル内で緊急停止した[16]。乗務員らの手によって消火作業が行われたが鎮火の見通しが立たず、規程に従って火災車両の切り離しを2か所で実施したが、作業完了までに約40分を要した[17]。火災車両の切離し完了後に列車を運転再開してトンネル内から脱出させようと試みられたが、その矢先に火煙を媒介とした架線とトンネル壁面間(または樋間)の放電短絡によって送電停止に陥ったことで列車を動かすことができなくなり[15][18]、自力走行によるトンネル内からの脱出は不可能になった[15]。 送電停止の影響によって約760人の乗客乗員は、