今年の一月に修士論文を提出したので、それについて書きます。 (どこで読めるかは下の方に書いてあります。) 主題はタイトルにあるとおり、「画像における情動表出」です。 画像は目に見える事物、富士山やアスパラガスなどを描写(depict)できるほか、目には見えない心的状態、とりわけ喜怒哀楽に代表される情動(emotion)を表出(express)できる(よりなじみ深い言葉遣いでは、感情を表現できる)と言われます。 たとえば、エドヴァルド・ムンクの『叫び』が不安を表出しているとか、しかめっ面の絵文字が怒りや不満を表出しているとか、灰色の風景画が悲しみを表出しているとか、キャラクターの頭上の光る豆電球がひらめきを表出しているとか。 拙論では、情動表出の観点から画像作品の異同を記述するための理論的枠組みの構築の作業を行いました。 以上に挙げた四つの例だけでも、なんだか共通点もあれば、相違点もあるとい