3月28 菅原琢『データ分析読解の技術』(中公新書ラクレ) 8点 カテゴリ:社会8点 『世論の曲解』(光文社新書)で政治をめぐる世論調査や分析に鋭い批判を行なった著者によるデータ分析の入門書。 ただし、例えば伊藤公一朗『データ分析の力』(光文社新書)が因果推論のさまざまな手法を紹介し、データ分析のツールを教える本だったのに対して、本書は世に出回っているデータ分析の問題点を指摘し、その読み解き方を教えるものとなります。 その点では、本書はメディア・リテラシーの本でもあり、少し古い本になりますが谷岡一郎『「社会調査」のウソ』(文春新書)と同じ系譜にある本とも言えます。 近年ではデータが重視される中で、マスメディアやネットにもさまざまなデータ分析が溢れていますが、これらの中には明らかにおかしいものもあれば、一見すると鋭いようでいて実は何かがおかしいものもあります。 本書はそうした玉石混交のデータ