というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「Anti-social norms」で、著者はLeopoldo Fergusson(ロス・アンデス大)、José-Alberto Guerra(同)、James A. Robinson(シカゴ大)。 以下はその要旨。 Since formal rules can only partially reduce opportunistic behavior, third-party sanctioning to promote fairness is critical to achieving desirable social outcomes. Social norms may underpin such behavior, but they can also undermine it. We study one such norm
一般社会では、性別が二元的に男か女かに分けられている。だが、生物学的な研究が進んだことで、性別は単純に二元化できるものではないことが分かってきた。 王立メルボルン病院(オーストラリア)の臨床遺伝学者Paul Jamesは、仕事柄、患者と非常にデリケートな問題を話し合うことには慣れている。しかし、2010年初めのある日、彼は頭を抱える出来事に遭遇した。特に性別に関して、何とも話しづらい気持ちにならざるを得なかった。 Jamesの診察室を訪れたのは46歳の妊婦で、お腹の赤ちゃんの染色体異常を羊水穿刺で検査した結果を聞きに来たのだ。赤ちゃんには問題がなかったが、補足の検査によって母親の方に意外な事実が判明した。彼女の体は、2個体に由来する細胞でできていたのだ。この2個体はおそらく、彼女の母親の子宮内で発生した双子の胚だったと思われる。ところが話はそれで終わらなかった。一方の細胞セットには、通常の
素晴らしい楽曲を聞いたとき、鳥肌が立つような感覚を抱いたり、思わず身体が動いてしまうことがあります。 ダンスが基本的に音楽とセットになった文化であるように、音楽に対する感動や快感は身体と深く結びついています。 しかしヘビメタなら頭を振りたくなったり、ディスコミュージックなら身体を揺すりたくなるなど、音楽の種類によって動かしたくなる体の部位は異なってきます。 これは文化圏によって異なる舞踊の形態がある理由とも関連している可能性があります。 そこでフィンランドのトゥルクPETセンター(Turku Pet Center)の研究チームは、人間が音楽を身体のどの部位で感じているのか? そしてそこに文化間の違いがあるのかを調査しました。 そしてこの研究によると、人が音楽を身体で感じる感覚には文化や学習的な要因よりも、生物学的な構造や本能に根ざした要因が大きい可能性を示唆しているといいます。 研究の詳細
悪しき因習としてネット上で有名な“おじろく・おばさ”について、長野県民が実際に論文を取り寄せて調べてみました。 この記事は最後まで無料で読めます。 なぜ調べようとしたのか、その動機や、長野県の地理的特色などをまとめたものが、前回の記事となります。 1. “おじろく・おばさ”は誇張されているのではないか?1.1. 調べることになった発端ネットロア(インターネットの都市伝説)やオカルト系サイトで有名な「おじろく・おばさ」ですが、それについてのしっかりとした論文があるということから、“実在した忌まわしい因習”として時々ネットにて話題になります。 正直、長野県民として微妙な気持ちでしたが、論文があるのだから本当なのだろうとぼんやり思っていました。しかし、最近その論文自体に疑問を呈する動画を発見しました。 簡単に動画の内容を要約します。 ・「おじろく・おばさ」は1960年代に書かれた2つの論文、①水
(Image by New Africa/Shutterstock) 人は他の種と比較して、とても協力的な種とされています。実際に、人には、自分に協力してくれた相手に直接返報する「お返し」や、協力された人が見ず知らずの第三者に協力する「おすそ分け」などの行動があります。協力によって利益を与えた場合、相手からの協力的な返報が生まれる傾向がある一方で、裏切りによって損失を与えた場合には、その相手からの報復を誘発します。しかしながら、自分に損失を与えた相手に直接報復できない場合、見ず知らずの第三者からであっても、失った分を取り戻そうとするのか、また、そうした行動はどの程度連鎖するのか、といった定量的な分析は不足していました。 本研究では、この課題に対して定量的な検討を行いました。その結果、人は自分の持つ資源が奪われた場合、それが相手の意図的な行動であったかどうかに関わらず、第三者からであっても奪
多民族、多言語国家で、国内における地域間での緊張を抱えている国の代表チームがサッカーの国際大会で活躍すると、国民が一つにまとまるようである。 エミリオ・デペトリス=ショーヴィン(Emilio Depetris-Chauvin)&ルーベン・デュランテ(Ruben Durante)&フィリペ・カンパンテ(Filipe R. Campante)の三人の共著論文――「経験の共有を通じた国民統合:アフリカにおけるサッカーの代表選から得られる証拠」(“Building Nations Through Shared Experiences: Evidence from African Football”, NBER Working Paper No. 24666)――によると、アフリカにある国のサッカーの代表チームが主だった国際大会の大事な試合で勝利すると、国家に対してよりも民族(自分が属している民族)
Thank you for visiting nature.com. You are using a browser version with limited support for CSS. To obtain the best experience, we recommend you use a more up to date browser (or turn off compatibility mode in Internet Explorer). In the meantime, to ensure continued support, we are displaying the site without styles and JavaScript.
2019年、2020年と年末に面白かった社会学論文の10選を載せたが、今年も10本の論文を紹介することにした。例年通り、今年私が読んだものの中で、特に「面白い」と感じた10本で、今年出版されたとは限らない。 私の専門フィールドは社会学の中でも移民研究(migration studies)なので、移民研究関係の論文が多い。方法論としては、計量分析、オンライン実験、参与観察、文書分析、インタビュー、フォーカスグループ、歴史社会学的分析(の組み合わせ)となっており、地域としては、米国、ドイツ、ロシア、日本、中国、韓国、台湾となっている(ばらつくように意識したわけではない。)また、紹介の順番に大きな意味はない。 各論文のまとめは、私の視点からまとめたものであり、論文の著者らの強調点とは異なることがある。リンクを貼ったので是非実際の論文自体も読んで頂きたい。 また、論文に対する(主に私の勉強のために
カリフォルニア大学アーバイン校(UCI・米)の研究により、ネイティブ・アメリカンが薬草として使ってきた植物に、鎮痛作用と下痢止めの効果を持つ分子が発見されました。 UCI医学部・生理学教授のジェフリー・アボット(Geoffrey Abbott)氏は「これは、ネイティブ・アメリカンの薬に関する深い知恵に新たな焦点を当てるもの」と述べています。 また、発見された分子は、中毒性のない安全な治療薬の開発に応用できるとのことです。 研究は、11月11日付けで学術誌『Frontiers in Physiology』に掲載されています。 Medicinal plant extract used by Native Americans can treat both pain and diarrhea https://www.zmescience.com/science/news-science/medic
Researchers have long been fascinated by the strong continuities evident in the oral traditions associated with different cultures. According to the ‘historic-geographic’ school, it is possible to classify similar tales into “international types” and trace them back to their original archetypes. However, critics argue that folktale traditions are fundamentally fluid, and that most international ty
Lindell Bromham, Xia Hua, Thomas G. Fitzpatrick, and View ORCID ProfileSimon J. Greenhill aCentre for Macroevolution and Macroecology, Division of Ecology, Evolution, and Genetics, Research School of Biology, Australian National University, Canberra, ACT 0200, Australia;bSchool of Culture, History and Language, ANU College of Asia and the Pacific, Australian National University, Canberra, ACT 0200
松沢哲郎 霊長類研究所教授、古市剛史 同教授、橋本千絵 同助教、中村美知夫 野生動物研究センター准教授、伊藤詞子 同研究員らとMichael L. Wilsonミネソタ大学准教授の研究グループは、チンパンジーに見られる同種間の殺しが、生息生息地の破壊や餌付けなどの人為的かく乱の結果として表れているものではなく、食物や配偶相手などの資源を得るための雄の適応戦略であることを証明しました。 本研究成果は、9月17日(英国時間)付けにて英国科学誌「Nature」に掲載されました。 チンパンジーに見られる同種殺しが適応戦略として進化してきたものなのか、それとも生息地の破壊などの人為的影響によって現れるものなのかという論争が、長らく続いてきました。この研究は50年以上にわたって蓄積された観察例の分析によって後者の説を否定し、同種殺しが雄による配偶相手や資源をめぐる適応的行動として理解できることを示した
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く