ブックマーク / satoshi.blogs.com (24)

  • 特許庁のシステム開発が破綻した本当の理由

    特許庁と東芝の新システム開発契約打ち切りについて、なぜこの開発プロジェクトが破綻したのかについて私なりの解説をしようとバックグラウンドを調べたところ、調べれば調べるほど、この問題の根底には(1)コスト意識が欠如し自分たちが「公僕」であることを忘れてしまった霞ヶ関官僚、(2)霞ヶ関から流れて来るお金にたかる IT ゼネコン、(3)そのお金の流れに対する影響力を利用して票を稼ぐ政治家、という原子力業界と全く同じような構図があることが明らかになり、ウンザリしてしまった。 破綻の原因は、ソフトウェア・アーキテクチャやプロジェクト・マネージメントにあったのではなく、「競争原理が正しく働かない社会構造」そのものにあるのだ。これではうまく行くはずがないし、たとえうまくいったとしてもやたらと高くつく。 そもそも破格だと言われた99億円という落札価格も、私から見ればどうみても高すぎる。特許庁のシステムであれ

    特許庁のシステム開発が破綻した本当の理由
    obata_hiroshi
    obata_hiroshi 2013/01/06
    本当にそう思うのなら次期システムの入札に参加してくださいな。
  • オランダはどうやって自転車天国になったか

    このビデオ、色々な意味で感動したので貼付けておく。 一つは「市民運動」の力。高度経済成長とともに都市を自動車に最適化しようとしていたオランダ政府に、人々がまったをかけたのだ。日ではこれまでは「市民運動=左翼」というレッテルを張られてしまって来たが、今回の原発事故以来、少し変わって来た様に思う。日の未来を決めるのは、政治家でも霞ヶ関の官僚でもなく、私たち国民だという意識を持って、発言すべきときは発言すべきだとつくづく思う。 そしてもう一つは、電気と石油を使いまくる「経済成長」がかならずしも国民の幸せに繋がるとは言えないこと。その意味で、「自動車にとっては天国だが、年間400人もの子供が自動車事故で死ぬ国」よりも、「自動車で生活するには不便だが、誰もが安全に自転車に乗れる国」を選んだオランダは、今後の日のエネルギー政策を考える上でもとても参考になると思う。

  • 「3強1弱、あと番外」の方向に向かうスマートフォン市場

    スマートフォンの動向に関して良い記事が GeekWire に出ていたので紹介する。 As profits fall at HTC, Samsung becomes the smartphone king with record net income 興味深いのは、この記事で紹介されている各社のスマートフォンの出荷数。AppleiPhone 4S のリリースの遅れにより第三四半期の出荷数を落としたのに対し(3ヶ月強の遅れだが、9末のリリースも逃したために実質的には2四半期分の遅れとなった)、Samsung が飛ぶ鳥を落とす勢いで出荷数を伸ばしているのが良く分かる。 今後のことで言えば、一番の注目株はNokia。来ならばスマートフォンとは呼べない Symbian 端末をスマートフォンとして数えているからこの数があるわけで、実質的にはゼロと考えた方が良い。Microsoft との提携はその

    「3強1弱、あと番外」の方向に向かうスマートフォン市場
  • iPadを既に持っている人にはKindle Fireよりも e-ink 版 Kindleがおすすめ

    Kindle Fire が発表された時点では、「今年の(自分への)クリスマス・プレゼントはこれ!」と決めていた。iPadを持ってはいるが、ソファーやベッドで横になってを読むのには重いし、Kindle Fire 上で動くブラウザーで色々と遊んでもみたかった。Steve Jobsの伝記がわずか$14.99(日円にしたら1200円弱)で読めるというのも魅力だ。 しかし、クリスマス前に知り合いからKindle Fireを借りる機会があり、色々と試してみたところ、少し期待はずれであった。期待していたよりもずっと厚ぼったくて重く、オリジナルの Kindleの良さを全く継承していないのだ。「これなら iPad で読んだ方がマシ」というのが正直な感想である。 結局、悩んだあげく e-ink ディスプレイの Kindle (WiFiモデル、キーボードなし、$79.00)を選んだ。早速 「Steve Jo

    iPadを既に持っている人にはKindle Fireよりも e-ink 版 Kindleがおすすめ
  • Microsoft vs. Novell: 証言台に立って来た

    先日ここでも述べたように、今日の午後、Salt Lake Cityで開かれている Novell 対 Microsoftの裁判に証人の一人として証言台に立って来た。 詳しい話は近いうちに連載としてメルマガに書く予定だが、 簡単に言えば、私が Windows95 の一部として作った "namespace extension" という仕組みが、ある時点のベータ版のSDKでは公開されていたにも関らず、最終版のSDKからは外され、そのためにNovell(正確にはNovellが買収したWordPerfect)は多大な損害を被ったというのがNovellの言い分である。 それだけでも証人に呼ばれてもしかたがないとも思うのだが、その背後には、Microsoft社内での「Chicagoチーム対Cairoチームの次世代OSの争い」があり、そもそもその社内抗争を起こした原因を作ったのがCairoからChicago

    Microsoft vs. Novell: 証言台に立って来た
  • エンジニアの役割

    技術評論社の WEB+DB PRESS に連載中のコラムが新しくウェブで公開されたので、ぜひとも読んでいただきたい。 エンジニアの魔法の手〜面白いプロジェクトの関るには このコラムで一番注目していただきたい部分は、以下の一節。 自分が関わっているプロジェクトの方向性がおかしいと思ったら,自分がどんな立場にいようと強く主張すべきだ。会社はそんなエンジニアを必要としているし,当に会社のためになるのであれば必ず耳を傾けてもらえるはずだ。「そうは言っても,難しいんだよ」などと逃げを決める上司は怒鳴りつけてやればよい。 会社にとって最悪なのは,「こんなものを作っても誰も使わないんじゃないか,会社の価値を上げることにつながらないんじゃないか」と思いながらも黙々と仕事をするエンジニアだ。そんなエンジニアばかり集まっている会社は絶対に市場で成功しない。プロジェクトに関わるエンジニア全員が,「自分たちがど

    obata_hiroshi
    obata_hiroshi 2011/07/26
    上司と、取引先と、さらにその上の首まですげ変えないといかん状況というのは、やはり転職ですか
  • JavaScript HTMLテンプレートエンジン SNBinder 公開

    先日予告したSNBinderのオープンソース化、GitHubに簡単なREADME付きでアップロードしたのでご覧いただきたい。 https://github.com/snakajima/SNBinder SNBinderは、ひと言で言えば「ブラウザー上でView(テンプレート)とData(JSON)を結合して HTML を生成するテンプレートエンジン」である。 90年の半ばから急速に広まったインターネット。サーバー側でダイナミックに生成したHTMLページをブラウザーで閲覧するだけ、というシンプルでエレガントなアーキテクチャゆえの成功だ。しかし、ブラウザーの高機能化に伴い、JavaScriptを駆使して使いやすさを向上しようという試みが色々なウェブサイトで行われている。GMail、Google Docs、Facebookなどは良い例だ。 その方向性を究極にまで突き詰めると、サーバー側は(MVC

  • 2011年はソシアル・アプリ元年か?Facebookユーザー向けグループウェアFruence

    11〜12月にかけて、3連続してGoogle App Engine上のアプリを作ったので、かなりDatastoreにも慣れて来たし、ライブラリも充実してきた。これならば、小さなアプリなら2〜3日で開発+リリースする事も十分に可能だ。ということで、正月休みの間に「書き初め」として何か自分の日々の仕事の役に立つものを作ろうと思い立ったのが1日の夜。 そこでまず候補として思いついたのが、オンラインの「to-do リスト」サービス。ここのところ、の執筆、雑誌のコラム、CloudReaders、neu.Notes、neu.Draw、neu.Annotate、neu.Journal と複数のプロジェクトに同時に関っているため、記憶やメモに頼って作業するのは不可能になって来た。そこで、どのデバイスからでも簡単にアクセスできる「オンライン to-do リスト」が欲しいと思ったのだ。 ただ、単なる「オン

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  • プラットフォームとして台頭して来た Facebook

    週末はクリスマス休暇でロスに住む長男が遊びに来ていたのだが、金曜日の朝になって面白そうなFacebookユーザー向けのサービス案を提案して来たので、さっそく作ってみた。24日にはクリスマスパーティもあったし、テニスも毎朝していたので、正味プログラミングをしていた時間は30時間ぐらいしかなかったのだが、発案からわずか3日でサービスがローンチできてしまうとは(Google App EngineとFacebook APIのおかげ)、ずいぶんと便利な時代になったものだ。 日ではまだまだだが、米国では人口の7割以上がアカウントを持つと言われるFacebook。Twitterでの不特定多数向けの「つぶやき」よりも、友達・知り合い間での「プライベートなコミュニケーション」向けのFacebookは、どちらかと言えばmixiに似ている。mixiとの根的な違いは「大人も使っている」点。 特に最近は、「プラ

  • 読者への公開質問:なぜソニーはアップルになれなかったのか?

    私も交換書簡およびアプリの開発を担当している、梅田望夫さんの「iPadがやってきたから、もう一度ウェブの話をしよう」、電子書籍ならではの目玉は、発売後に読者からいただいた質問に私と梅田さんが答えるという「増える交換書簡」。 すでに二つの質問に対する回答がアップロードされているが、これからも順次答えて行く予定なので、質問の方、よろしくお願いする。 興味深いのは、最初の二つの質問がどちらもソニーに関するものであること。「なぜソニーがアップルになれなかったのか?」「ソニーとグーグルの提携に未来はあるのか?」。 株価総額でもあっさりとアップルに抜かれ、ここのところいまいち元気のないソニーだが、「もし日のメーカーでアップルに対抗することができる企業があるとしたら、それはソニーだろう」という多くの人の期待を込めた質問なのだろうと解釈している。 私の回答は交換書簡を見ていただくとして、逆に私からこのブ

  • iPadアプリ作成日記: アプリ間の連携について一考察

    CloudReadersというPDF/マンガリーダーを個人で、neu.Notesという手書きノートアプリをneu.Pen LLCを通して開発・リリースしている私だが、当然のようにその二つを組み合わせて「PDFの赤入れアプリ」を作って欲しいというユーザーからのリクエストは聞こえて来るし、私自身も欲しい。 これまで二つのプロトタイプを作っては見たのだが、どうも気に入らないのでリリースは見合わせている。 最初に作ったのは、CloudReadersに "Annotation Mode" (赤入れモード)を追加したバージョン。とりあえず赤入れが出来るところまでは三日ぐらいであっさりと動いたのだが、「シンプルでサクサク読める」ことを最優先に設計されているCloudReadersの場合、追加した書込みを常に表示するのかしないのかでかなりパフォーマンスに影響が出るし、「赤入れモード」という明示的なモードを

    iPadアプリ作成日記: アプリ間の連携について一考察
  • iPad上でHTML5 Widgetを走らせて遊ぼう

    昨日の「HTML5: W3C Widget とその応用を考える会」は参加者も多く、私自身とても良い勉強になったが、そこでも予告した通り、iPad発売を記念してWidgetのサンプルをいくつか用意したので、ぜひともお試しいただきたい。 手順は以下の通り。 ステップ1. iPadにCloudReadersをインストールする(iTunes ストアへのリンク) ステップ2. 以下のWidgetをダウンロードする Download 3dClock.wgt (2.5K) ー CSS3を使った3D時計 Download TimeTrial25.wgt (7.8K) ー タイムトライアルゲーム Download JSCalc.wgt (3.4K) ー 電卓 Download QuadraBench.wgt (2.5K) ー Canvas のベンチマークプログラム ステップ3. iPadPC/Macに繋げ

  • iPadに最適化したPDFファイルの作り方

    iPad向けにPDF/マンガリーダーCloudReadersを発表してから、いままで直に付き合いがなかった出版業界の人たちからちょくちょくコンタクトをいただくようになった。その中で良くある質問の一つが、「iPad向けに最適化したPDFファイルの作り方」。そこで今日は、そのあたりのノウハウをまとめて書いてみる。 まもなく日でも発売されようとしているiPadは色々な意味で画期的なデバイスだが、あくまで位置づけはモバイル・コンピューターであり、パソコンではない。画面も大きく、CPUも高速になったとは言え、搭載するメモリ(RAM)の量はiPhone 3GSと同じだ。 そのため、メモリがふんだんにあるパソコン用に作ったPDFファイルを読もうとすると、メモリ不足でアプリが落ちたり、極端に遅くなったりしてしまう。アプリを作る側もいろいろと対応はしてはいるが(参照)、やはり快適にiPad上でPDFファル

  • iPadアプリ作成日誌: PDF関連APIのバグについて

    以前にもここで少し触れたiPhone OSのPDF関連APIのバグについての詳しい情報が知りたいという連絡がTwitter経由で入ったが、140文字制限でするのもなんなので、具体的にバグレポートを書いてみる。 iPhone OS 上でPDFファイルを表示する場合、まずは CGPDFDocumentCreateWithURL でドキュメントを開く必要がある。CloudReadersの場合はこんな感じだ。 NSURL* url = [NSURL fileURLWithPath:path]; CGPDFDocumentRef doc = CGPDFDocumentCreateWithURL((CFURLRef)url); count = CGPDFDocumentGetNumberOfPages(doc); 特定のページを表示(=描画)する際には、CGPDFDocumentGetPage でペー

  • もし日本のメーカーが iPhone を発売していたら..

    iPhoneは会社から支給されて使っていますが、非常に使い勝手がいいです。 ただ、これでは、いまほど欲しくならないことはたしかですね。 他の機種と同じ土俵の上に上がってしまっているので、「なんかいろいろ機能がごてごて付いてる中の携帯の一つ」というところでしょう。 つまり、「売れるモノも売れなくなる」、「売り方次第」ということを今更ながら思い知らされました。

    もし日本のメーカーが iPhone を発売していたら..
    obata_hiroshi
    obata_hiroshi 2010/03/07
    RT @hatebu Life is beautiful: もし日本のメーカーが iPhone を発売していたら.. (92 users)
  • Google App Engine上のベスト・プラクティス、その1: Datastore

    Google App Engine上でアプリを作りはじめて約二ヶ月。いろいろと分かって来たこともあるので、自分へのメモも含めてまとめてみる。まずは、Datastoreの話から。 なによりも大切なのはデータベースの設計 あたりまえと言えばあたりまえの話だが、App Engine上でアプリを作る上でもっとも大切なこと(=頭を使うべきところ)は、データベースの設計である。特にリレーショナル・データベース(RDB)上でのアプリ作りに慣れた人には、大きな「発想の転換」が必要なので、ここは注意が必要。 特に絶対にやっては行けないのは、 将来RDB上へ移行できるようにレイヤーを作って、その上にアプリを作る RDB上に作ったアプリをデータモデルを大幅に変更せずにApp Engine上に移植する RDBを前提に設計されたフレームワークをApp Engine上に載せて、その上にアプリを作る など。App En

  • アップルの30年ロードマップ

    昨日、日経BP主催のAndroidに関するセミナーで講演+パネルディスカッションをしたのだが、パネルディスカッションを一緒にさせていただいた、日通信の福田尚久氏との話(特に、楽屋に戻ってからの非公開の話)が興味深かった。 福田氏は、スティーブ・ジョブズがAppleに戻り、Microsoftからの資金調達、iPodのリリース、アップル直営店の展開、という今のAppleの成功の基盤となる「奇跡の復活」を遂げた時期にジョブズの側近として活躍した人。 彼に言わせると、今のAppleのビジネス戦略は、倒産寸前だった97年当時に作った「30年ロードマップ」に書かれた通りのシナリオを描いているという。 もちろん、具体的な内容は企業秘密でもあるので直接聞き出すことはできなかったが、ここ12年の間にアップルが出して来たもの(iPod, iTunes, iPhone, Apple TV, Safari, O

  • Life is beautiful: SEはメニューのないレストランのウェイターか?

    一昨日書いた「ソフトウェアの仕様書は料理レシピに似ている」というエントリーに対して沢山の人からフィードバックをいただいた。このように情報を発信すると、逆により多くの情報が集まり自分にとっても勉強になる、というフィードバックプロセスがあるからブログは楽しくて仕方がない。 フィードバックの中に「これでSE不要論も再燃か?」などという過激なコメントから、自分自身がSEという立場の方からのものすごく真面目なフィードバックまでが集まったので、これを機会に、ここに私なりに「SE」という職業をどう解釈しているか書いてみようと思う。もちろん、私自身がSEという職業を経験したことがあるわけでなないので、間違っているかも知れないが、その場合は遠慮なく指摘していただきたい。 私の理解では、SEという職業はレストランに例えればウェイターである。それも、メニューから料理を選んでもらう通常のレストランとは異なり、「

  • HTML5時代の「運営しやすいアーキテクチャ」の話

    増井君と二人でPhotoShareというサービスを立ち上げてもう15ヶ月になるが、いろいろと学んだことがある。その中でもつくづく思うのは、サービスを作り上げる段階よりも、運営のことを考えた設計が大切なこと。つまり、メンテナンスしやすい、テストしやすい、多少のミスをしても大丈夫、こまめなアップデートがしやすい、作業分担がしやすい、などなどである。 そんななかで強く感じるのは、「AJAXを見た目や使いやすさの面だけに利用するだけでなく、『運営しやすいサービス』を作るのに利用できないか」ということである。 私のイメージするアーキテクチャを図にするとこんな感じになる。 まず一番の特徴は、テンプレート等を利用したHTMLのダイナミックな生成をすべてやめて、データ(JSONもしくはXML)だけをダイナミックに生成するようにし、HTMLはスタティック・ファイルをサーバー側に置いておく(上の図で、CSS,

    HTML5時代の「運営しやすいアーキテクチャ」の話
  • Google WaveがHTML5ブラウザーへのシフトを加速する

    Internet Explorer 3.0/4.0 の開発に関わっていた人間として言うのも変な話だが、そろそろIEには主役の座を降りてもらった方が良いと思っている。いろいろな要因がからみあって今の状況があるわけで、その部分について今さらここであれこれ言うつもりはないが、実際のところ、 IEが他のブラウザー(Safari/Firefox/Chrome/Opera)と比べてHTML5やCSS3のサポートに関して大きく遅れている そもそもIEの進化のスピードが(というかMicrosoftから出る製品すべての進化のスピードが)遅すぎる にもかかわらずIEのシェアが大きいため、業界全体の足を引っ張っている という現状があることは誰にも否定できない。 HTML5やCSS3の新しい機能により可能になる新しいウェブアプリをどんどんと作って行きたいと考えているエンジニアは私だけではないわけで、その意味では「