ロシアのシリア空爆は「無差別爆撃」だ。モスクワで年次記者会見に臨むウラジーミル・プーチン露大統領(2015年12月17日撮影)。(c)AFP/NATALIA KOLESNIKOVA〔AFPBB News〕 IS(イスラム国)という「悪役」がいて、それをなんとかしないといけないということで各国が動いているのは事実だが、それだけの単純な構図ではない。アメリカ、ロシア、フランス、トルコ、サウジアラビア、シリアのアサド政権、シリアの反体制派各派、イラク政府、クルド人勢力、イランなどの各勢力が、それぞれ別々の思惑で動いていて、非常に複雑な背景があるからである。 そのため報道の表面だけに接していると、なんとなく「カン違い」してしまいがちなことがいくつかある。そこで、とくにISを含むシリア情勢の問題について考える際に、まず知っておきたい基本的なことを挙げてみよう。ポイントは7つある。前篇と後篇の2回に分