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ブックマーク / tanakahidetomi.hatenablog.com (18)

  • 「アベノミクス(のリフレ=金融緩和)では雇用は改善してない。総実労働時間数が低下しているからだ!」という理解できない議論について

    総実労働時間数の推移だけみて何がいいたいのか皆目わかりません。ただネットでは「アベノミクス(のリフレ=金融緩和)では雇用は改善してない。総実労働時間数が低下しているからだ!」という意見を見かけます。 以前、シノドスの論説で片岡剛士さんが以下のような表をまとめてくれました。 これをもとにしてちゃちゃと簡単ですが、アベノミクス期間中(2013年ー2017年現在まで)を推計してみます。 アベノミクスの期間の実質成長率の平均値は1.32%(今年は第三四半期までのを単純平均)。 この期間の就業者数の変化は年率1.08% 総実労働時間の変化はマイナス0.52%。2017年は期間中の単純平均で推計。 これは上の図表の1980年以降の状況と比較してみると、就業者数の年率の増加が極めて顕著です。例えば85-90年の就業者数の変化率でさえ0.92%程度です。 ちなみに90年代以降、五年刻みでみてみると、就業者

    「アベノミクス(のリフレ=金融緩和)では雇用は改善してない。総実労働時間数が低下しているからだ!」という理解できない議論について
  • 「景気回復の実感がない」に客観的根拠はあるのか?

    よくニュースなどでアベノミクス(というか事実上リフレ=金融緩和政策)の効果を否定したい勢力から、「景気の実感がない」という世論調査みたいなものが紹介されることがある。 確かにさらに経済をよくする余地は多いにあるが、いまのリフレ政策の方向性を否定するためにこの種の世論調査を利用するならば、それは賛同できない。その種の「景気実感」を疑いと客観的な観点で検証すべきだろう。 しばしば僕も言及しているが、講演会などで「景気の実感は?」という問いに、「一年で給料が倍」という返事をして会場にいた多くの人が真顔でうなずくという香ばしい光景を体験したこともある。 それはそれとしてこの件について、日銀審議委員の原田泰さんが最近、客観的なデータに基づいてこの景気実感論を検証しているので引用してご紹介。 元のソースはここ http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_

    「景気回復の実感がない」に客観的根拠はあるのか?
  • 若田部昌澄「日本のケインズ主義に貨幣理論がないのはなぜか」in『リフレが日本経済を復活させる』 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ

    昨日のトークイベントの席上で言及した、日のケインズ主義とマルクス主義のドッキングした形態で、そのため貨幣理論が軽視されている思想的起源として、杉栄一の『近代経済学の解明』(1950)を例示しました。 この観点から杉栄一もそうですが、その影響をうけた経済学者の多くが、インフレ・デフレを構造的な問題としてみなす傾向が強いことです。若田部さんの論説「日のケインズ主義に貨幣理論がないのはなぜか」(『リフレが日経済を復活させる』所収)はその点を欧米との比較をしながら詳細に論じています。 「対して日では長い間、市場経済への信頼という軸が弱かった。すでに述べたように日の経済論壇を支配したのは市場経済の失敗を強調するマルクス主義であり、経済への国家介入を自然かつ望ましいとみなす開発主義であった。日のケインズ主義はマルクス主義、開発主義と親和性が高く、それが中央から左にまたがる大きなブロック

    若田部昌澄「日本のケインズ主義に貨幣理論がないのはなぜか」in『リフレが日本経済を復活させる』 - Economics Lovers Live 田中秀臣のブログ
  • 高校生や大学入学前の勉強はこれで十分、他はほぼ不用:坂井豊貴『ミクロ経済学の入門の入門』

    経済学をまったく知らないと、経済学の教科書の冒頭の諸概念(機会費用、需要供給の分析など)を理解すると、なんでこんなことを勉強しなければいけないのか? と素朴に思うことがあるだろう。あまり現実の課題と結びつかないという印象がある。 特に高校生のおそらく終わり近くで、すでに推薦などで経済関係の大学にいく人達、または高校を卒業して新しく大学に入る就学前の人達には、どうしても独学で勉強する時期があるだろう。そのときに上記の素朴な疑問がかならずでてくるはずだ。実は僕もそうだった。 書は、経済学の主要三部門(ミクロ経済学、マクロ経済学、計量経済学)の中で、最も初心者が取組みに努力が必要な(その多くはなぜこの概念が経済学の理解に必要なのかでためらいがあることだろう)基礎的な概念を、著者の体験やまたシンプルな政策的応用を見据えて解説していてとても親切である。 このときの「親切」はよくある非専門家たちの書

    高校生や大学入学前の勉強はこれで十分、他はほぼ不用:坂井豊貴『ミクロ経済学の入門の入門』
  • 「エンゲル係数が上昇して生活が苦しくなるのは安倍政権のせい。民主党時代の方がよかった」という間違った意見について

    「エンゲル係数が上昇して生活が苦しくなるのは安倍政権のせい。民主党時代の方がよかった」という趣旨のつぶやきやら記事やらを目にしてますが、twtterにも書きましたが、日のエンゲル係数の上昇についてはまず以下の解説を参考のこと。 http://www.stat.go.jp/info/today/108.htm 「エンゲル係数の推移を見ると、平成元年から平成16年にかけて低下していましたが、平成21年以降上昇しています。これは、エンゲル係数が、世帯主が60歳以上の高齢の世帯では高い傾向があるため、高齢化に伴って高齢の世帯の割合が上昇していることなどが全体のエンゲル係数の上昇にも関係」。 それと所得が上昇して外が増えるとエンゲル係数が上昇したりもする。エンゲル係数は基的に高齢化の進展でこれからも上昇トレンドにあると思うが、その他の要因でも影響がおこるといえる。 ちなみにエンゲル係数という一

    「エンゲル係数が上昇して生活が苦しくなるのは安倍政権のせい。民主党時代の方がよかった」という間違った意見について
  • 2017-01-05

    経済問題を最小の時間で、でも基礎学力をつけながら学んでいくにはどうしたらいいのか? 1)いいテキスト 2)いい教師(授業、講演などでの出会い)、3)適切な時間配分 4)無理しない これらのバランスが必要でしょう。ここでは主に1)の「いいテキスト」を紹介していきます。上から下にいくほどレベルアップ。 なんといっても小学生でも読める(でも大人が読んでも面白い)以下の二冊がやはり最も簡単な経済書の地位をいまだにキープしているでしょう。『レモン』の方は経済学の要の市場(しじょう、マーケット)のメカニズムを、『続レモン』は若干レベルアップしててインフレのメカニズムの解説になっています。 新装版 レモンをお金にかえる法 作者: ルイズ・アームストロング,ビル・バッソ,佐和隆光出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2005/05/21メディア: 単行購入: 3人 クリック: 83回この商品を含むブ

    2017-01-05
  • 自殺者数推移の最新データ(2016年)と雑感

    しばしばここでも言及している自殺統計の推移。減少傾向は今年は特に際立つ。だが、まだ二万人を超えている。景気(失業率)と自殺者数の増減は強い相関にあることはよく知られている。また同時に、政府や地方自治体の自殺対策の支出増加も効果があるのではないか、と思う。ただし民主党政権下では自殺対策の「強化」が行われたが、安倍政権の景気対策ほどの自殺減少の効果はもたらしていない。直接的な対策費の増加も景気対策の強化も背反的な関係にはないが、後者を不当に軽視するのが日の一部の論者に見られる傾向なので注意を促したい。 いずれにせよ、完全雇用までにはまだ雇用状況も改善できるはずだ。もちろん雇用状況の改善の中には、マクロ経済的な状況の改善だけではなく、(マクロ経済的状況の改善を前提にした)職場のブラック化をふせぐことも含まれる。勤務や職場の人間関係のストレス、statusの喪失による絶望、長時間勤務や帰宅後労働

    自殺者数推移の最新データ(2016年)と雑感
  • よくあるアベノミクス(のリフレ政策)への反論になってない反論の例:「いまの経済回復はリーマンショック後の世界経済復活のせい」「民主党政権時代から自殺率も低下し失業率も低下

    表題にあるようなよくある発言を目にしたので簡単に。まず「いまの経済回復はリーマンショック後の世界経済復活のせい」だけど、世界経済の成長率は http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/4505.htmlを参照。 リーマンショック(08、09年)の落ち込みの前後六年で比較すると、前は7.4%、後は5.3%である。先ほどのアベノミクスの成果を否定したくてたまらないの理屈でいうと、リーマン前は現状より日経済はもっといいはずだ。だが、そんなことにはなっていない。なのでこの説はデータもみないで直観で言ってるだけのものだろう。 次に「民主党政権時代から自殺率も低下していた(のでアベノミクスの成果ではない)」だが、確かに自殺率は低下した。これは民主党政権(のちの安倍政権も継承)の自殺対策が効果を奏した側面があるかもしれない。だがこれもちゃんとデータをみるべきだ。民主党時代の2010年

    よくあるアベノミクス(のリフレ政策)への反論になってない反論の例:「いまの経済回復はリーマンショック後の世界経済復活のせい」「民主党政権時代から自殺率も低下し失業率も低下
  • お正月特別企画:2016年心に残る経済書ベスト20発表!!(ベスト10日本人著者全コメント公開)

    2012年に始まって今年で四回目(2014年は実施せず)の年度ごとの経済書ベスト20ですが、今年も2015年12月から16年11月までに出版された経済書の中から基三冊をtwitter(メール、メッセージなどでも可能)で、ハッシュタグをつけて選らんでいただき、毎年100名前後の方々に投票いただいています。投票結果は毎年このブログに掲載してきました。 いままでの一位は以下のようなでした。 2012年第一位 ポール・クルーグマン 『さっさと不況を終わらせろ』(早川書房) 2013年第一位 田中秀臣編著 『日経済は復活するか』(藤原書店) 2014年 実施せず 2015年 原田泰 『ベーシックインカム』(中公新書) 今年も劇的な投票結果でした。まさに新時代の開幕といっていいかもしれません。なおベスト10入りの方々のコメントは大晦日やその前日に依頼してしまったために全員のみなさんからまだお返事

    お正月特別企画:2016年心に残る経済書ベスト20発表!!(ベスト10日本人著者全コメント公開)
  • アベノミクス下でのジニ係数、相対的貧困率、子どもの貧困率への歯止め、そしてGDPギャップ拡大そのまま

    twitterでつぶやいたものをまとめただけ。 2014年の最新のジニ係数、相対的貧困率、子どもの貧困率が発表された。「アベノミクスで経済格差が! 貧困が!」と言っていたアベノセイダーズや直観で安倍が信用できないといっていた人たちへ。ほぼすべてで減少に転じて歯止めがかかった。 http://www.stat.go.jp/data/zensho/2014/pdf/gaiyo5.pdf このジニ係数、相対的貧困率、子どもの貧困率が低下に転じた主因は、金融緩和政策による雇用創出・改善効果に尽きる。ただし今後が極めて大切。消費増税や世界経済の不安定化の長期影響の克服がマスト。それを乗り越えて、ようやく経済格差・貧困問題対処の「前提条件」が整うだけ。番はそれから。 所得格差や貧困問題に関心のある人達に念には念をおすが、マクロ経済政策の安定が前提条件なので、これを維持していくことがなによりも大事だ。

    アベノミクス下でのジニ係数、相対的貧困率、子どもの貧困率への歯止め、そしてGDPギャップ拡大そのまま
  • 田中秀臣「石橋湛山とリフレ」inケインズ学会公開講演会(立正大学)

    日の公開講演会のレジュメを公開します。誤字などは修正しました。 ーーーー 石橋湛山とリフレ 田中秀臣(上武大学ビジネス情報学部教授) 1 石橋湛山の経済思想の特徴 人中心の経済思想。「労力が富の唯一根の源泉」(8;264)。 孟子「恒産なければ恒心無し」の石橋風解釈 “安定した職業がなければ安定した心はない(失業した人には安定した心がない)。 「不景気は人生の最悪の浪費、従って又最大の罪悪だという結論に導かれる。何となれば、不景気とは、失業操短の増加を指称する別名であり、而して失業操短は、富の唯一根の源泉である労力、及其労力の結実たる生産設備を空しく活動せしめざることだからだ」(8;266)。 石橋の経済政策論:人中心のための不景気(失業)対策が中心。デフレーション対策(リフレーション政策の採用)も国家財政への見方なども、この人中心の失業観が前提。 2 長期不況論、通貨政策(国際金融

    田中秀臣「石橋湛山とリフレ」inケインズ学会公開講演会(立正大学)
  • 「みんなのための資本論」と99%のための資本主義

    経済の話題を理解できる、優れた映画がいくつもある。特にここ数年では、ノンフィクションで見るべきものが多い。大相撲の八百長のメカニズムなど、人間の行動動機を追った『ヤバい経済学』、リーマンショックに揺れる世界を描いた『インサイド・ジョブ』(アカデミー記録映画賞受賞)、辛口ドキュメンタリーを発表し続けるマイケル・ムーアの『キャピタリズム』『シッコ』など、日公開されたものも多い。ムーアの最新作の『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』は、欧州各国の雇用・社会保障の美点を広く紹介していて刺激的だ。 今回注目したいのは、クリントン政権のときの労働長官であったロバート・B・ライシュの主張を基にし、彼を“狂言回し”的に出演させた『みんなのための資論』(字幕監修:山形浩生、2015年日公開)だ。最近、何度かNHKでも放送されたので見た人も多いだろう。 個人的にはライシュのイメージは悪い。クリントン政権

    「みんなのための資本論」と99%のための資本主義
  • 松尾匡『この経済政策が民主主義を救う』

    特定の政治イデオロギーや党派支持にこだわる、いわゆる「党派根性」の強い人たちをいかにまっとうな経済政策にめざめさせるか、書の試みはこの一点にかかっている。特に安倍政権に批判的な「党派根性」の人たち、たとえばどんな社会事件でも安倍政権の責任にしたりするような態度を強固にもっている人たちに、その姿勢を維持させながらも(どだいこの種の党派根性はの一冊で解消はできない病理学的なものだと僕は思っている)、安倍政権の経済政策を超えるものを提供し納得させることが、書の目的である。 書の主要な主張を列記すると 1 安倍首相の目的は改憲にある。その改憲のための政治勢力が実現できるように選挙に勝利しなければならない。そのために経済政策で景気を絶妙にコントロールしている。 2 安倍政権の批判をすることは正しい。松尾さんは改憲を批判し、また安保法制も反対だし、書の最後ではファッシズムにつながるものを安倍

    松尾匡『この経済政策が民主主義を救う』
    ochiaihideki
    ochiaihideki 2016/02/03
    松尾匡『この経済政策が民主主義を救う』
  • 2016年の四つの最大の地政学的リスク(マーティン・フェルドシュタイン)

    2016年の展望を経済と地政学的な観点から論点を提示した論説を、マーティン・フェルドシュタインが書いているのでご紹介。 「2016年の四つの最大の地政学的リスク」 https://www.project-syndicate.org/commentary/geopolitical-risks-to-global-economy-by-martin-feldstein-2015-12 内容を簡単に。経済的なリスク(FRBの10年にわたる低金利政策による資産の誤った価格付け問題、中国の構造的変化による需要の変化、欧州経済の弱体化の持続)があるが、長期の主要リスクは、ロシア中国、中東、サイバー空間の四つの地政学的リスクだ。 ロシアの地政学的リスク 全世界を射程にできる核保有国。石油価格に依存する経済体質。プーチン政権の緊縮スタンスの採用。クレムリン統制下のメディアを利用しての対外侵攻政策(シリア

    2016年の四つの最大の地政学的リスク(マーティン・フェルドシュタイン)
    ochiaihideki
    ochiaihideki 2016/01/02
    2016年の四つの最大の地政学的リスク(マーティン・フェルドシュタイン)
  • お正月特別企画:2015年心に残る経済書ベスト20発表!!(ベスト10日本人著者全コメント公開)

    明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 2012年、2013年と実施し大好評を博した「心に残る経済書ベスト」が二年ぶりに戻ってきました。応募者総数約100名 有効投票ポイント991の方々に参加いただき、今年は上位陣が白熱した接戦を展開しました。 対象期間は2014年11月から2015年10月末までに出版された国内外の経済書となります。ちなみに、2012年第一位は、ポール・クルーグマン『さっさと不況を終わらせろ』(早川書房)、2013年第一位は、田中秀臣編著『日経済は復活するか』(藤原書店)でした。2014年は実施していません。 さていきなりですが、2015年の第一位は! 第一位 原田泰�『ベーシックインカム』(中公新書)� 第四位 原田泰『反資主義の亡霊』(日経プレミアム新書) 著者から投票してくださった方々へ 私の『ベーシックインカム』が「2015年心に残る経済

    お正月特別企画:2015年心に残る経済書ベスト20発表!!(ベスト10日本人著者全コメント公開)
    ochiaihideki
    ochiaihideki 2016/01/02
    お正月特別企画:2015年心に残る経済書ベスト20発表!!(ベスト10日本人著者全コメント公開)
  • デヴィッド・スタックラー&サンジェイ・バス『経済政策で人は死ぬか?』

    著者二人は経済学の専門家ではなく公衆衛生学の専門家である。経済政策の失敗が公衆衛生を悪化させることで実際に人を病や死に追いやることを実証的に分析した名著とよべるものである。従来でも経済政策の失敗が不況をもたらし失業者や過重労働などを生み出すことは知られていた。他方で失業などが多くの人を自殺、自殺未遂、自殺を考えざるをえない環境に追い立てていることも実証分析がすすんでいた。しかし前者と後者を因果関係から結び、不況そのものよりも不況の中での経済政策の失敗が人を殺すものであることを考え、実際に検証した業績はあまりなかった。 不況そのものについては著者たちは、国民の健康を害する面と反対に健康促進の面があることを指摘している(後者は所得減少でアルコール摂取が制限されることなど)。しかし不況で職を失う事(所得減少よりも大きい)が、その人の生きがいを奪うことで自死に追いやることを統計的に示している。 処

    デヴィッド・スタックラー&サンジェイ・バス『経済政策で人は死ぬか?』
    ochiaihideki
    ochiaihideki 2015/11/30
    デヴィッド・スタックラー&サンジェイ・バス『経済政策で人は死ぬか?』
  • 日本の“リベラルと左派”が理解してない金融政策(リフレ)と生活賃金、最低賃金引き上げなどとの関係

    欧州の左派的な政党も組合も、日でいうところのリフレ政策(いまの日銀行の異次元緩和的なもの、金融政策の景気対策への割り当てとその効果)を積極的に評価している。この金融政策への積極的評価を背景にして、反緊縮的な財政政策のスタンスやまた「生活賃金」的主張、最低賃金引き上げの主張も行われている。ここの理解が、おそらく日のマスコミや政策当局者、政治家、運動家、市民には欠如しているか、むしろ誤って理解されていると思う。端的に日共産党などは反リフレであるし、また多くのリベラル的な論者も反リフレであることが象徴している。 さてこのエントリーで紹介したが、簡単にいうとケインズ自身が、「将来的な貨幣供給の増加が、将来的な名目賃金(貨幣賃金)の増加をもたらす、そして将来的な名目賃金の増加が不況脱却につながる」と書いている。 この点は宇沢弘文も「ケインズ主義」として評している。 「このような経済を安定化す

    日本の“リベラルと左派”が理解してない金融政策(リフレ)と生活賃金、最低賃金引き上げなどとの関係
    ochiaihideki
    ochiaihideki 2015/11/09
    日本の“リベラルと左派”が理解してない金融政策(リフレ)と生活賃金、最低賃金引き上げなどとの関係
  • リフレ派の経済学「基本」型のご紹介

    いわゆる「リフレ派」とは、デフレーション(物価の持続的下落)による経済の不安定化を、低インフレにすることで経済を安定化することにある。 ここでいう低インフレとは、だいたい1〜3%の間とされ、経済指標ではコアコアCPI(生鮮料品とエネルギー関連抜かす指数)を重視した。また「経済の安定化」では、インフレが加速化しない失業率水準、すなわち「構造的失業」の水準に到達することが目的のひとつとされていた。 さらに「経済の安定化」では名目所得の落込みも深刻なものとしてとらえその増加が目指された。また終局的には実質所得の増加、実質GDP成長率の安定化が目的であると主張されてきた。 これらの中間的な目的もしくは終局的な目的を実現するために、特に期待(予想)に働きかける政策手段が重視され、予想転換(レジーム転換)をもたらすものとして日銀行の金融政策の転換がデフレ脱却の必要条件とみなされてきた。また財政政策

    リフレ派の経済学「基本」型のご紹介
    ochiaihideki
    ochiaihideki 2015/10/31
    リフレ派の経済学「基本」型のご紹介
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