JTが「中国冷食」から手を引けぬ真相 いま撤退すれば中国政府の威信に傷がつく。年間2兆本の中国たばこ市場から永久追放されかねない。 2008年4月号 BUSINESS 中国製冷凍ギョーザによる中毒事件の原因究明が難航するなか、日本たばこ産業(JT)が安全管理体制の強化に乗り出した。自社、委託先を問わず、生産拠点にはすべて食品の安全管理に関する国際規格「ISO22000」の認証取得を義務づけるほか、自前の検査体制の未整備が問題拡大につながったとの批判を受け、日本と中国の双方に検査センターを設置。中国にも品質管理の担当者を常駐させ、委託先の工場を抜き打ちでも監査できるようにするという。 ただ、これだけの事態に発展したにもかかわらず、JTは中国での冷凍食品の委託生産をやめるつもりはないという。その背景には、中国の外国たばこ販売自由化をにらみ、中国政府のご機嫌を損ねたくないJTの事情がある。 JT