アランさん(右端)を励まそうと集まった同僚たち。サラさん(左端)、ノリコさん(左から2人目)も仲間に囲まれて、一家の表情も少し明るくなった=2009年2月7日午後6時3分、稲田佳代撮影 フィリピンからの不法入国で東京入国管理局から強制退去を命令されている埼玉県蕨市の内装解体工、カルデロン・アランさん(36)一家の仮放免延長期限が27日に迫っている。アランさんを同僚らは励まし、在留特別許可を求めて集めた署名は1万9000人分を超える。アランさんが案じるのは、日本生まれの一人娘で中学1年のノリコさん(13)のことだ。ノリコさんは「日本は大好きな自分の国。家族全員一緒に暮らしたい」と願っている。 93年の日本への出発前夜。アランさんはビザ取得を依頼したブローカーから、他人の姓と1年早い誕生日に書き換えられたパスポートを受け取った。「金を支払っていたので、そのまま飛行機に乗ってしまった」という。