国内で進むバリアフリー化の波に対して、最も意欲的に取り組んできたのがホテル業界です。 2006年にはバリアフリー新法が施行され、客室数50以上のホテルには、車いす使用者が円滑に宿泊できる客室を1室以上設けることが義務付けられました。これを機に、バリアフリーの客室を整えるホテルがぐっと増えました。 しかしそうしたバリアフリーの客室は、経営側から見ればこれまで“重荷”でもありました。というのも多くのホテルが、客室に手すりなどを張り巡らし、隅々まで行き届いた完璧なバリアフリー仕様の客室を整えたからです。もちろん、こうした設備が充実すれば障がい者や一部の高齢者などにとっては、使いやすいかもしれません。けれど、それ以外の一般の宿泊客が泊まりたいかというと、決してそうではありません。 バリアフリー客室はまるで病室? 「手すりだらけの部屋は、まるで病室のようだ」。一般の利用者にとってみればそう感じてもお