オーストラリアのラッド労働党政権が先住民政策で苦戦している。ケビン・ラッド首相(51)は就任早々、先住民アボリジニに対し、歴史的ともいえる謝罪をした。だが、彼らの暮らしはいっこうに改善されず、逆に国連からは、オーストラリアの先住民政策の一部は人種差別撤廃条約に抵触するとの厳しい指摘を受けた。きょうのテーマは「先住民政策 苦戦する豪政権」とした。 関連記事ハワイ、米50番目の州になって半世紀…【世界写真紀行】米最大の問題を解決へ…記事本文の続き 先月(8月)下旬、オーストラリア各地の先住民を訪問した国連のジェームズ・アナヤ先住民問題担当特別報告者(米アリゾナ大学教授=人権法)は帰途、首都キャンベラで記者会見し、「アボリジニの人々に対する明らかな差別がある」と語った。 ■差別撤廃条約に抵触 キャンベラからの報道によると、国連特別報告者が「差別」としたのは、北部特別地域(準州)のアボリジニの