大阪・ミナミで起きたとされる痴漢事件で、逮捕された男性(38)が事件に関与していない可能性を示す被害者の携帯電話メールを大阪地検が把握しながら男性を起訴し、弁護人が公判で指摘するまで開示していなかったことがわかった。大阪地裁は26日、このメールを判決の根拠の一つとして男性に無罪(求刑懲役6カ月)を言い渡した。弁護人は「不利な証拠が出されなければ冤罪につながることが浮き彫りになった。全証拠を弁護側が把握できる仕組みにすべきだ」と話している。 大阪地検をめぐっては、郵便不正事件の現場捜査を担当した特捜部の元検事(43)=証拠隠滅罪で起訴=が、捜査の見立てと異なるフロッピーディスクの文書データを改ざんしたことが発覚。検察の不利な証拠への対応のあり方が改めて問われそうだ。 男性は5月、ミナミの路上で40代女性の胸や尻を衣服の上から触ったとして大阪府迷惑防止条例違反の疑いで府警に逮捕された。男性