人口5万の小さな町は殺到するメディアに戸惑っていた。オーストリア東部のザンクトベルテン。自宅の地下に娘を24年間も監禁して性的暴行を加え、7人の子供を産ませうち1人を死なせたとして近親相姦などの罪で起訴されたヨーゼフ・フリッツル被告(73)の裁判が16日に始まった。殺到する各国メディアに裁判所前で掲げられたのが「オーストリアの恥」とのプラカード。海外から注目を集めれば集めるほど、個人の犯罪が国民に複雑な波紋を広げている。関連記事「恥を知れ、恥を」近所夫婦に怒鳴る …オーストリア代表監督が辞任 W杯欧州…記事本文の続き■娘を24年間監禁・殺人で初公判 顔をバインダーで覆い隠しながら、フリッツル被告が法廷に入っていく。BBCなどが伝えた同じ映像を、現地取材に訪れた記者も裁判所の外に設けられた報道用テントで見守っていた。ニューヨーク・タイムズ(電子版)は、150人の記者がモニターをのぞき込んでい