ギリシャの財政破たんが明るみに出たのは、2009年のことだった。その救済のため、2010年春以来、IMFとEUが、二度にわたって2260億ユーロもの援助をしている。 そのうえ2012年には、ギリシャが外国の銀行などから受けていた融資の半分以上を返済免除にもした。これが総額1000億ユーロだ。この措置で、ドイツでは、ギリシャの国債を持ちすぎていた銀行が倒産し、その救済にドイツ国民の税金が使われた。 多額の経済援助の代わりにEUがギリシャに求めたものは、厳しい節税と緊縮政策だった。EUとIMFと欧州中央銀行の三者がギリシャに入り、財政を管理した。それによってギリシャ人は、自国が外国勢に占領されたと感じた。 緊縮財政でお金が回らなくなったギリシャは、瞬く間に疲弊してしまった。倒産が相次ぎ、人々は職を失い、消費は行き詰まり、挙句の果て、年金は下がり、医療保険も社会福祉も壊れた。それでもEUは、節税