デヴィッド・フィンチャー最新作『ゴーン・ガール』。自分もエントリーを上げたが、多くの人もまた大きく心動かされてエントリーを上げている。内容的には理解出来ないような物ではないが、一筋縄ではいかないキャラクターや展開に韜晦させられている人も多い。 また、フィンチャー過去作との比較をしているものもあったのだが、奇をてらった解釈が流行りなのか、首をかしげざるをえないものも少なからずある。そこで、フィンチャー作をデビューから最新作まで俯瞰して、ごくごく一般的なデヴィッド・フィンチャー作品の解釈・テーマの読み解きをしようと思う。 失敗したデビュー 『エイリアン3』(1992) ●「体内のヘビ」よもう一度 エッジの効いたPVを作るフィンチャーならMTV感覚のクールな映画を作るだろうと監督起用されたが、待っていたのはスタジオの過度な介入と、いくつもの案をツギハギにした歪な脚本。誰がやっても暗澹たる結果にな