特別読み物 巨大エレクトロニクス産業の興亡 パナソニック シャープ ソニー 日立 東芝「失敗」の研究「選択と集中の罠」 にハマった経営者たち 昔はほしいけど買えない家電がたくさんあった。でももう、日本人はほとんどのものを手に入れてしまった。売れないものに「選択と集中」をした結果、かつての基幹産業は瀕死の状態に陥っている。 討ち死にした3人の経営者 パナソニック7800億円、ソニー2200億円、シャープ2900億円。この3月期決算で各社が計上する純損失だ。同時に3社とも社長交代、事実上の現社長更迭を発表した。 巨額の赤字を垂れ流し、3社は生きるか死ぬか、まさにその岐路に立たされている。そして新社長は生き残りをかけた舵取りを求められることになる。 だが、その前に。 なぜ瀕死の状態になるまで手が打てなかったのか。どのタイミングで、誰が、何を間違えたのか。 「失敗の研究」を尽くさなければ、失敗を繰
いくま ひとし/1983年早稲田大学大学院理工学研究科修了、三菱重工業(株)入社、90年日本総合研究所入社、95年アイエスブイ・ジャパン設立と同時に同社、取締役に就任(兼務)、97年ファーストエスコ設立と同時に同社マネージャーに就任(兼務)、2003年早稲田大学大学院非常勤講師(兼務)、03年イーキュービック設立と同時に取締役就任(兼務)、06年日本総合研究所 執行役員 就任。近著に『次世代エネルギーの最終戦略-使う側から変える未来』(2011年、東洋経済新報社)『電力不足時代の企業のエネルギー戦略』(2012年、中央経済社)。 井熊均の「性能神話」を打ち破れ 日本企業の凋落がとまらない。企業の産業戦略の基本理念であった「雁行モデル」では、もはやグローバル社会で戦えなくなってきている。その理由は、性能を上げれば逃げ切れる、という性能神話にある。今こそ日本企業は、単品の性能神話から脱し、自ら
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