たとえば仕事上のやりとりをしているとき、同じような場面で同じようなやりとりをしていても、相手によって仕事の出来・不出来や、やりやすさ・やりにくさが出てくるのはなぜでしょうか。その違いは、感情的なレベルでの信頼関係のあるなしで生じていると指摘するのは、明治大学文学部教授の齋藤孝氏です。著書『究極 会話の全技術』(KADOKAWA)から、コミュニケーションにおいて大切なことについて詳しく解説します。 コミュニケーションとは情報のやり取りではない 忘れられがちなことですが、コミュニケーションには必ず相互性が必要です。たとえば、テレビでニュースを見ている行為はコミュニケーションとは言えません。またインターネットでいろいろなサイトを覗いたからといって、それでコミュニケーションがとれたことにはなりません。 相互性の中で、意味や感情をやりとりする行為こそが、コミュニケーションなのです。一方的に情報を受け
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