今回、白川氏が総裁に昇格するかどうかは知らないけど、結局この一連の動きではっきりしていることは、日銀はここ十数年の経済運営の失敗の責任を全く取らされることもなく、しかも日銀出身者が立て続けにその組織の長のポストを得るという果実は死守したわけで、日銀職員にとってみれば組織防衛として非の付け所のない成果を得たということだろう。 しかも、本来であれば経済政策運営のパートナーであるべき財務省や政府の意向を無視することで、逆説的に「中央銀行の独立性」という大義名分を振りかざすことに成功した。そしてマスコミもこのキャンペーンに乗った。 つまり、日銀は政府や財務省に経済政策の方向性を常に「先出し」させているわけだ。政府や財務省の方針に従えば「独立性が脅かされた」と言い張れる、それに従わなければ「独立性を守った」というポーズが取れる。つまり常に「後出しじゃんけん」ができるということ。勝つか、負けるか、引分