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  • 金融緩和と摘芽型財政の帰結 - 経済を良くするって、どうすれば

    欧州や米国は「日化」するのかと、問われれば、イエスだ。また、サマーズが「高所得国の経済は、需要の慢性的な低迷と遅い経済成長の体質にあり、バブルがなければ成長しない」と懸念しているが、こちらもイエスだ。なぜなら、そうなるような経済運営をしているからであり、それは日が過去にしてきたことである。 ……… 欧米のディスインフレの原因は何かとを考えると難しいが、「強力な金融緩和をしておきながら、成長を低迷させ続ける方法として何があるか」に角度を変えるなら、答えは容易に見つかる。金融緩和に緊縮財政を組み合わせれば、そうなるのは明白だからだ。欧米ともに、それを試みているのだから、結果は当然のように思える。 むろん、こうした経済運営は、「緊縮財政は景気に良い」というドグマに支配されているためである。「設備投資は低金利で伸びる、緊縮財政は金利を下げる、よって、緊縮財政は設備投資を伸ばす」という三段論法が

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    orakio 2013/11/24
  • 少子化のインセンティブ - 経済を良くするって、どうすれば

    社会保障制度が整えられ、老後の不安が薄れたことが、子供を持とうとする意欲を低下させ、少子化を進めてしまったのではないか。そうした疑問は、誰しも抱くものだ。しかも、少子化は、支え手を減らして社会保障制度を掘り崩しかねないから、それを防ぐために、どうすべきかは、重要な問題となる。 これに数理的な分析を加えたのが、先頃、日経・経済図書文化賞を受賞した、山重慎二著「家族と社会の経済分析―日社会の変容と政策的対応」である。このの評価は、改めてするまでもない。賞のHPで松井彰彦先生が述べるとおり、「言葉や印象論で語られることが多かった壮大なピクチャーを緻密な理論で語った意義は大きい」というものだろう。 私も、大変、楽しませてもらったが、残念ながら、子供を持たないで済まそうとするインセンティブの大きさ、それは、すなわち、少子化を防ぐために必要な施策の大きさを示すことになるが、そこまでは書かれていない

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    orakio 2013/11/17
  • 消費増税をするとどうなるか - 経済を良くするって、どうすれば

    世の中の消費増税の悪影響に対する認識は甘いのではないかと思う。かく言う筆者も1997年までは、そうだった。今日は、消費増税後に何が起こったのか、思い出話とともに、数字をたどってみたい。若干、「オタク」向けかもしれないが、1997年の消費増税の経験は、その是非だけで済ますには、もったいないものである。 ……… 結論から先に言うと、駆け込みと反動減を潜ると、消費増税の悪影響は、それで抜けたような気になるのだが、実は、そこからが悪影響の番である。増税による実質的な所得削減の効果が長く消費を低迷させる。これは、増税→消費減→生産減→所得減→消費減という、経済全体への波及が起こるからである。 ここで、余裕のある方は、ニッセイ研の斎藤太郎さんの「2013~2015年度経済見通し」(8/13)の中にある「消費税率1%引き上げの影響」というマクロモデルの分析も見ていただきたい。注目してほしいのは、増税2

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    orakio 2013/09/01
  • 消費増税への強いこだわり - 経済を良くするって、どうすれば

    官僚が既得権益の拡大を狙っているのでは? (なべを) 2013-08-26 01:19:26 初めて投稿させていただきます。こちらのブログは、いつも興味深く拝読しております。 私の考えを述べると、官僚が愚民感を捨て去ることなど無いと思います。 むしろ、為政者(官僚)は自らの既得権益を守るため、国民に対して、あえて愚民化政策をとってはいないでしょうか? 消費税による増税で、景気が冷え込んでしまう事を、もちろん、財務省の官僚達は折り込み済みでしょう。 それでも、財務省官僚が増税を強行したい理由は、景気の動向などよりも、予算を増やし、自分達の既得権益の拡大が最重要課題と考えているからだと思います。 増税して、その後、景気動向が悪ければ、公共事業などのバラマキ(再分配)で調整する… 一見意味の無い事のようですが、この事は、官僚の既得権益拡充に充分役に立つと思います。 なぜなら、彼らの既得権益とは予

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    orakio 2013/08/25
  • 少子化論と非正規問題 - 経済を良くするって、どうすれば

    原因が分からなくても、問題は解決できる。問題が深刻であれば、原因と考えられるものに手を打って次々と潰していく。その過程で効くものが分かり、原因が特定されることもしばしばだ。日少子化対策は、原因が不分明だからと言って、戦力の投入を惜しんできた。戦争の最中に、海軍と陸軍のどちらを増やすべきかの議論ばかりしていたら、敗北は免れない。正解は「全部やる」である。問題が深刻ならば、そうなる。 松田茂樹先生の「少子化論」は、問題の全体を俯瞰した上で中身も濃い。「少子化の要因は雇用の劣化による未婚化にあり、特に非正規への支援が優先課題である」という先生の主張は、一般の方には新鮮なものだろう。むろん、筆者にとっての驚きはないが、地域差や国際比較など刮目する論点は多かった。問題把握に欠かせない第一級の書籍であり、今後の政策対応の基礎にならんことを願う次第だ。 とは言え、先生の「少子化対策として、若い非正規

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    orakio 2013/06/10
  • 漸進主義で行く先に - 経済を良くするって、どうすれば

    政治家とは成したいことを抱いて権力を目指すものだが、権力を手にしたとき、なすべきことは、むしろ畑違いであることが多い。安倍首相は、前回の政権で「小さな政府」路線を引き継いだが、景気の回復から波及に向かう時期に、それは明らかに合っていなかった。置き去りにされた人たちが格差に敏感になっているときに、ホワイトカラーエグゼンプションを持ち出したりしていたのだから。 保守色が強いと思っていた安倍首相が、看板になる成長戦略の第一弾で、女性活用、保育拡大を持ってくるとは、正直、意外だった。日経の大林さんが求めるような「痛みの伴う規制緩和」だったら、さもありなんというところだろう。ビジネスフレンドリーをうたいながら、女性活用だけでなく、賃上げや就活繰り下げなど、連合が言ってもおかしくないことまで、経団連に求めてきている。 選挙対策と言えば、それまでだが、いま必要とされていること、国民が切実に望んでいること

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    orakio 2013/04/21
  • 驚いていることに驚く - 経済を良くするって、どうすれば

    都道府県、市町村別の将来人口推計が発表され、驚きをもって受けとめられたようだ。身近なもので示されたことで実感したというのは分かるが、昨年1月に発表された全国的な推計と同じものなのだから、今更といった感じはする。人口の激減は、専門家には10年も前から分かっていたことで、やはり、世間は、手遅れになってからでないと、実感できないものらしい。 そんなわけだから、日経が「人口増を前提にした社会保障制度の再設計やインフラの見直しが課題になる」としているのは、やや的外れで、少なくとも年金については、とっくに対応済みである。むしろ、直近の人口推計では、2004年の年金改革時より出生率が上向いている。あとは、脱デフレさえすれば、制度は問題ない。ただし、少子化に合わせた実質的な給付水準の引下げが「目の前」になったら、また驚くのかもしれないが。 まあ、まじめに少子化対策をすることだね。0~2歳児の保育所不足を仕

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    orakio 2013/03/28
    驚く
  • 物価上昇へのプロセス - 経済を良くするって、どうすれば

    あまり物事を簡単に考えない方が良い。金融緩和をすれば、景気が上向き、物価が上昇する。大きな流れは、それで良いが、実現には、いくつものプロセスを経る必要がある。これを理解していないと、上手く行かなかったときに、余計に失望することになる。効かない魔法の杖は、あっさり捨てられかねない。 ……… 通常、金融緩和は、輸出と住宅投資に効く。金融緩和が円安を呼んで、輸出を増やし、それが設備投資を促し、雇用増、所得増、消費増、物価上昇というプロセスをたどる。迂遠な話であり、どこかで引っかかり、上手く行かなくなることも多い。そもそも、円安になるかどうかも相対的な問題で、米国の景気が減速し、実質金利が低下する観測が出たりすると、入り口でつまずくことになる。 円安が実現しても、輸出増や設備投資増は楽観できない。円高を経て、国内への投資には慎重になっているからだ。昨日の日経にあったトヨタの動きにあるように、実際に

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    orakio 2013/03/24
  • 日経新聞の真実を考える - 経済を良くするって、どうすれば

    産経の田村秀男さんは、全国紙では数少ない財務省の批判者で、ある意味、筆者のお仲間である。そんな田村さんが「日経新聞の真実」という新書を出された。記者を志す若者に、財務省や日銀の虜にならず、自分の頭で考えて行動せよというのは、まさしく、そのとおりだが、そう簡単なことではない。 個人的な努力の問題は別にして、構造的な難しさは二つある。一つは、財務省や日銀は、そもそも、国民にとって最も重要な経済成長を目的とする組織ではないこと。もう一つは、経済成長を実現する方法として何が正しいのか、批判の拠って立つ経済学は、当のところは分かっていないということである。 ……… 財務省は収支の均衡を、日銀はインフレの防止を役目としているので、それらを目指すためなら、経済成長を阻害するようなことになっても仕方がないと考える。もし、今の日がインフレ気味であるなら、彼らの志向性は有用なものだろうし、彼らと一体となっ

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    orakio 2013/03/21
    筆者は、デフレの原因を、成長の循環が十分加速する前に、緊縮財政で需要を抜くためと考えている。
  • 景気の神様の戯れ - 経済を良くするって、どうすれば

    金曜に1月の家計調査が発表され、大幅な伸びを見せた。筆者は低迷を予想していたが、まるでアベノミクスを祝福するかのような結果であり、なんだか景気の神様にからかわれているような気分である。もちろん、このまま景気が回復してくれるなら、これほどうれしいことはないのだが。 筆者の見方は、復興増税で可処分所得が減り、寒波の早期到来による衣料の前倒しもあって、消費は厳しかろうというものだった。それらは予想どおりの結果が出ていて、勤労者世帯の季節調整済指数は、可処分所得で-0.4%、被服履物は-5.6%であった。ところが、可処分所得が減っているにもかかわらず、消費全体は1.7%も伸び、所得と消費の指数の逆転は、大きな開きを見せるまでになったのである。 この理由を解くキーワードは「寒さ」である。寒さによる不作で野菜が値上がりし、ただでさえ割高になっていた光熱費が伸び、暖房器具の購入も増えた。消費拡大に、神風

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    orakio 2013/03/03
    成長の原動力は設備投資であり、これを左右するのは、輸出、住宅、公共投資という三つの追加的需要。2013年度予算は、前年度の補正後と比較すれば大幅な緊縮予算なので、時間が経つに連れ、足を引っ張るようになる。
  • 財政出動の本当の姿 - 経済を良くするって、どうすれば

    (昨日の掲載分) 安倍政権の金融緩和と財政出動には期待が集まっているが、2%のインフレ目標を日銀に呑ませる金融緩和はまだしも、財政出動は、それに値するものだろうか。昨年の2011年度予算は、4次にわたる補正後に107.5兆円となったが、今年度は、補正後でも100.5兆円にとどまる。つまり、昨年度より7兆円も少ない「緊縮予算」になるわけだ。これで景気は良くなるのかね? 日の新聞や有識者は、数字を確認するということをしない。だから、事業規模20兆円の経済対策、10.3兆円の支出拡大と言われると、容易に信じてしまう。財政当局が狡猾というより、ナイーブに過ぎるのではないだろうか。外国に居て事情に疎いP・クルーグマンが「結果的に完全に正しい」と囃すのは仕方ないにしても、日人が同じ反応では情けない。 ……… 今回、財政当局は、「過去3番目の予算規模」と説明したらしく、記者たちは、それをそのまま流し

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    orakio 2013/01/20
  • 経済学を人類に役立てるために - 経済を良くするって、どうすれば

    たまたまなのだが、年末年始は、ジュディ・ダットンの「理系の子」とトーマス・カリアーの「ノーベル経済学賞の40年」を並行して読むことになった。前書の全米科学オリンピックを目指す子供たちの真実探求と問題解決にかけるひたむきさと、後書の「経済学は、そもそも何を発見したのか、何の役に立つのか」という根源的な疑念に貫かれた内容は、痛烈なほど対照的だった。 筆者も若い頃は、「常識的な知見を数式にしただけで、何がおもしろいんだ」と感じていたので、カリアー先生の疑念はもっともに思える。唯一、ケインズの「合成の誤謬」に触れたとき、「あぁ、この人は天才だ。現実の中に常識を超える知見を探し出してこそ、真の学問というものだろう」と感じた。そして、いまだ経済学は、これを超える「発見」をしていないのではなかろうか。 こうなってしまったのは、個々の利益の追求が最大効率をもたらすとする「経済学」が、政府の介入や規制を否定

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    orakio 2013/01/15
    賦課方式というのは、社会の永続を前提にすると、「得」する人だけが出るという、唯一ではないが、比較的、珍しい仕組み
  • 日本は、なぜ少子化に敗れたか - 経済を良くするって、どうすれば

    1971~74年生まれの団塊ジュニア世代は、来年には全員が40歳代になる。少子化を緩和するため、人数の多いこの世代で挽回する好機は失われた。これを逃してはならないと、10年前から言われていたにもかかわらず、なぜ、こんな結果になったのか、その理由は、端的に言うと「戦力の逐次投入」である。 「戦力の逐次投入」とは、戦力を小出しに投入し、そのたびに撃破されては消耗し、敗北へと至るものだ。元々は軍事用語であり、ダメな戦略の典型とされる。最近では、経営を語る際にも使われている。まあ、それだけ、犯しがちな失敗だと言える。十二分に戦力を用意するにはコストがかかる。これに躊躇して勝ちを捨てるのである。 ……… コラムでは、少子化を緩和するため、0~2歳の乳幼児に月額8万円を給付することを提案している。大概の人は、この額を聞くだけでギョッとする。現在の児童手当は1.5万円だから、その5倍以上という「常識外

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    orakio 2013/01/06
  • 単純な緩和策では足りない現実 - 経済を良くするって、どうすれば

    今日の日経には、若い人が学べる記事が多いね。まずは、「不動産脱デフレ期待・REITは震災前水準回復、関連株6割上昇、実需とのギャップなお」という記事。金融緩和には効果があるが、それは、直接、景気の原動力である設備投資に効くのではなく、資産や為替に効くということだ。そして、他方で緊縮財政をしたら、どうなるかを考えてほしい。 資産価格が上がり、それが資産家の消費増や建設への投資に結びつけば、実体経済を浮揚させることになる。さらに需要が波及すれば、経済成長もあり得るだろう。しかし、これに緊縮財政を組み合わせると、資産価格が上がっただけになり、実体経済から得られる賃料増の裏打ちがなくなって、最後は「バブル」として崩れることになる。 筆者が言いたいのは、金融緩和には効果があるからと言って、それだけで景気を良くできると思い込み、需要管理を疎かにしてはならないということだ。しかも、資産効果はあまり大きく

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    orakio 2012/12/22
  • 来年の社会保障はデフレ要因 - 経済を良くするって、どうすれば

    需要管理は経済運営の基であり、財政と社会保障の動向を見極めるのは当たり前ことになっている。ただし、日以外での話だ。日は、需要不足によって生じるデフレに苦しんでいるのに、社会保障を見ないどころか、財政も当初予算しか気にせず、補正予算は度外視するという奇妙な国である。 来年は、3年に一度の年金支給開始年齢を引き上げる年だから、これだけで1.3兆円のデフレ要因になる。そんな年に、特例年金水準のカットで5400億円のデフレ要因を作り、そのわずか半年後の2014年4月には、更なる5400億円の年金カットと、消費増税3%アップを行う。普通の感覚では常軌を逸しているのだが、無知とは、どんなことも可能にするようだ。 日の財政当局は、「いかに国民に負担を課しても消費には一切影響しない」という、都合の良い理論に凝り固まっているので、需要管理などは視野にない。また、日の新聞や有識者は、当局が説明してく

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    orakio 2012/12/01
  • デフレの真犯人を探して - 経済を良くするって、どうすれば

    現在の日の経済思想は、財政赤字を圧縮して資金を余らせ、法人減税をして資金を余らせ、金融緩和をして資金を余らせ、成長戦略と称する各種優遇策で資金を余らせ、社会保険料抑制と雇用流動化で人件費に係る資金を余らせ、あとは、規制緩和を叫べば、成長するというものである。 もちろん、これでは失敗する。成長の原動力である設備投資は、需要を見込んでなされるからだ。経営者というのは、いかに資金が潤沢で、機会利益があろうとも、リスクを恐れるものである。これは、経済学の教科書にある利潤最大化に反する「不合理」な行動になるが、嘘だと思うなら、実際に聞いて回ったらよろしかろう。 この経済思想に従った政策は、痛みが伴うため、必ず抵抗する人が出る。それゆえ、思い切った実践は難しい。その結果、「成功しないのは不十分だからだ」と言い募ることができる。効果が見られなくても、思想が的外れだと疑われることはない。そして、比較的、

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    orakio 2012/11/11
  • 経済運営の基礎講座(1) - 経済を良くするって、どうすれば

    夏休みの時期でもあるし、基礎講座も良いかなと思う。なぜか書いて置きたくなったんだよね。このコラムは、気の向くままに執筆しているせいか、思いがけないような転がり方をすることがある。そういう時は、ちょっと不思議な気分になるよ。 ……… 前年との増減を考える 財政運営を考える上で、前年より増やすか減らすかというのが、一つのポイントになる。当たり前と言えば、当たり前のことなのだが、日の有識者のほとんどは、これが分かっていないので、当に始末に困る。例えば、20兆円の赤字財政を、10兆円の赤字財政する場合、これはデフレ財政なのだが、赤字財政に変わりないことをもって、景気を刺激していると勘違いしていたりする。 また、前年との比較は、補正予算後の大きさと、当年の予算の差を見なければいけない。例えば、当初予算が90兆円で、プラス10兆円の補正をした次の年度に、当初予算が90兆円ならば、10兆円のデフレ予

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    orakio 2012/08/06
    財政運営を考える上で、前年より増やすか減らすかというのが、一つのポイント
  • 若者が借金を返す相手 - 経済を良くするって、どうすれば

    リカード中立命題と消費税 (KitaAlps) 2012-07-23 11:03:01 >「ある国立大の若手の先生が「高齢者福祉は財政赤字で賄われ、その借金は若い世代が返さなければならない、こうした不公平を正すためにも消費税を」という旨のコメントしていた。 >「それって、誰に返すの?」」 経済学的に言えば、この問題はコアなリカード公債中立命題で理解できますね。コアな中立命題とは、財政資金を得るのに、増税しても公債発行で調達しても経済に与える影響は変わらないというものです。 国債を発行した場合、好況であれば、民間の資金需要も強いでしょうから、金利が上昇するでしょう。また、国債を買う人達は、消費の欲求を捨てて国債を買うわけです。ですから、国債を発行した時点の世代の社会は、国債による資金調達によっても、政府の資金調達の負の影響を受けるのです。別に後の世代に負担を転嫁しているわけではありません。そ

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    orakio 2012/07/24
    コメント欄も
  • 金融緩和も財政出動も - 経済を良くするって、どうすれば

    さっそく、P・クルーグマンの「さっさと不況を終わらせろ」を入手し、訳者解説を読んだ。体はもちろんだが、山形浩生さんの解説も楽しみでね。日頃、自分とは違う考えの論者の主張も読むことを心がけているが、やっぱり、自分と同じ立場の論考を読む方がうれしい。各紙の財政再建至上主義に囲まれて、げんなりしているだけにね。 山形さんは、クルーグマンも考えを変えてきたと指摘するが、筆者も同感だ。「金融緩和でインフレ期待を高めるべし」と言っていたというくだりには、懐かしさを覚えた。金融緩和で期待を作るのは容易ではないから、当時は、何を言っているのかと思ったものだ。そのクルーグマンも、現実を踏まえて財政重視に修正してきたのは立派なものである。日では、十年一日の「理論家」が多いから、特にそう思う。 ちなみに、コラムは、財政運営についての論説が中心だが、別に金融緩和を軽視しているわけではない。それは当然の前提と

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    orakio 2012/07/22
  • 日本に残った最後の道しるべ(終) - 経済を良くするって、どうすれば

    今日まで6回に渡って消費増税をソフトランディングさせる戦術を考えてきた。それで分かったことは、①消費増税のショックを相殺しようと、公共事業を打とうにも、復興事業の剥落があって、その埋め合わせがせいぜいで、助けには成り難いこと。②消費増税と復興増税を重複させないためには、先頃、明らかになった2011年度決算剰余金を財源に、復興増税を先送りにする必要があること。 ③年金削減と重複させないためには、それを見送るのも仕方ないこと。④消費増税の駆け込み需要と反動減を軽減するには、住宅取得への課税を半年程度遅らせるべきであること。以上の4つであった。これらは、1997年の消費増税の際、全体を見ずに同時多発的に緊縮を行い、駆け込みと反動を甘く見て十分な対策を怠り、日経済の構造まで壊すに至った反省に基づくものである。 残念ながら、日の財政当局は、まったく反省していないため、15年前と同じ過ちを繰り返す

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    orakio 2012/07/09
    おそらく、さしもの財政当局も厳しく責任を追及され、前回の失敗で金融行政を剥奪された以上の報復を受け、組織解体に・・・・・・・