欧州や米国は「日本化」するのかと、問われれば、イエスだ。また、サマーズが「高所得国の経済は、需要の慢性的な低迷と遅い経済成長の体質にあり、バブルがなければ成長しない」と懸念しているが、こちらもイエスだ。なぜなら、そうなるような経済運営をしているからであり、それは日本が過去にしてきたことである。 ……… 欧米のディスインフレの原因は何かとを考えると難しいが、「強力な金融緩和をしておきながら、成長を低迷させ続ける方法として何があるか」に角度を変えるなら、答えは容易に見つかる。金融緩和に緊縮財政を組み合わせれば、そうなるのは明白だからだ。欧米ともに、それを試みているのだから、結果は当然のように思える。 むろん、こうした経済運営は、「緊縮財政は景気に良い」というドグマに支配されているためである。「設備投資は低金利で伸びる、緊縮財政は金利を下げる、よって、緊縮財政は設備投資を伸ばす」という三段論法が