昨年度初めて全国で6万件を超えた児童虐待の件数に関し、とりわけ東日本大震災の被災地で増加が確認された。児童相談所(児相)が2012年度に対応した虐待相談は、福島県では311件で前年度より52件増え、増加率は全国平均の倍近い20%。仙台市を除く宮城県も875件で、増加率は28%に達した。関係者は、震災や原発事故に伴う避難による親のストレスなどを背景に挙げている。 厚生労働省が25日発表した全国の昨年度の相談対応件数(速報値)は、虐待に対する社会の関心の高まりも受け、1990年度の調査開始以来最多の6万6807件で前年度比11%増だった。 福島県は、原発事故の避難区域を抱える双葉郡や南相馬市などを受け持つ浜児相分が前年度比2.1倍の120件で過去最多となり全体の4割を占めた。県外避難者が多いにもかかわらず、県全体の相談件数は10年度224件、11年度259件、12年度311件と大幅増が続き